【Looker Studio】4月始まりの年度グラフを作成する方法:ステップバイステップガイド
データを年度単位、3月はじまりで表示する機能は、決算時に長期間にわたるトレンドやパターンを理解するのに非常に役立ちます。このブログでは、Looker Studioで4月始まり3月終わりの年度表示されるグラフを作成する方法をステップバイステップガイドで解説していきます。
はじめに
Looker Studio(以前のGoogle Data Studio)は、データを視覚化し、分析するための強力なツールです。特に、データを年度単位で表示する機能は、長期間にわたるトレンドやパターンを理解するのに非常に役立ちます。このブログでは、Looker Studioで年度表示のドリルダウンを作成する方法を解説していきます。
Looker Studioとは?
Looker Studioは、Googleが提供するデータ可視化ツールで、以前はGoogle Data Studioとして知られていました。このツールは、データソースを接続し、カスタマイズ可能なレポートやダッシュボードを作成することで、データを視覚的に分析できるように設計されています。Looker Studioの強力な点は、複数のデータソースからの情報を統合し、リアルタイムで更新されるインタラクティブなレポートを提供できることです。
年度表示のドリルダウンの必要性
データを年度単位で分析する際、特に企業にとって重要なのは、一般的な暦年(1月から12月)ではなく、自社の決算年度に基づいた期間での分析です。例えば、日本の多くの企業では、決算期が3月末であり、そのための分析期間は前年の4月から当年の3月までとなります。このような場合、2021年度のデータを分析するときには、2021年4月1日から2022年3月31日までのデータを対象とすることが求められます。
この特定の期間に基づいた分析は、企業がその年度の業績を正確に理解し、次年度の戦略を計画する上で不可欠です。また、季節性のビジネス影響や市場の変動など、特定期間内のパフォーマンスを詳細に追跡することで、より有効なビジネス戦略を立てるための深い洞察が得られます。従って、Looker Studioのようなツールで年度表示のドリルダウンを設定する際には、このカスタマイズされた期間に対応できる機能性が特に価値を持ちます。
この解説の一部を変更することによって決算月が2月であったり、9月であっても対応ができるのでコードをしっかり見てみてください。
完成イメージはこちらです。
今回は売り上げを年度ごとに表示するグラフを作成していきます。
年度表示のグラフ作成手順
- データソースの準備
まず、分析したいデータソースをLooker Studioに接続します。Googleスプレッドシート、BigQuery、または他の多くのサポートされるデータソースから選択できます。 - 必要なカラム情報を整理するため表を作成
今回作成したいのは企業の売り上げのグラフなので販売日と売り上げのカラムがある表を作成します。
プロパティパネルの設定からディメンションに注文日、指標に金額を設定します。金額のフィールドをSUMにすると日別の売上の合計値が出力されます。
- 年度のカラムを作成するための計算フィールドを追加
次にそれぞれの日付が何年度であるかを算出します。
データパネルの下のボタン「フィールドを追加」を押し「計算フィールドを追加」で計算フィールドを作成します。
フィールド名は「年度」にし、以下の計算式を入力してください。
CASE
WHEN (CAST(FORMAT_DATETIME("%m", 注文日) AS NUMBER)) <=3 THEN CONCAT(CAST(FORMAT_DATETIME("%Y", 注文日) AS NUMBER)-1, "年度")
ELSE CONCAT(CAST(FORMAT_DATETIME("%Y", 注文日) AS NUMBER), "年度")
END
このコードを解説すると、「もし販売日の月の数字が3以下であったら、その販売日の年の数字から1引いた数字と”年度”の文字をくっつけて表示してください。そうでなければ、販売日の年の数字に”年度”をくっつけて表示してください」という内容です。
年度フィールドをディメンションに追加します。
プロパティパネルのディメンションから「ディメンションを追加」をクリックして年度フィールドを選択してください。
表の中に年度のカラムが追加されました。
- 連番をつけてグラフを4月はじまりにできるようにする
次に月によって連番を作成します。
グラフでは4月が一番左で3月が一番右のグラフを作成したいですよね。「4月が一番最初!」と言うのをLookerStudioは理解ができないので「4月は1、12月は9、3月は12」というように順番を教えてあげます.
先ほどと同様にデータパネルの下のボタン「フィールドを追加」を押し「計算フィールドを追加」で計算フィールドを作成します。
フィールド名は「連番」にし、以下の計算式を入力してください。
CASE
WHEN (CAST(FORMAT_DATETIME("%m", 注文日) AS NUMBER)-4+1) < 1
THEN (CAST(FORMAT_DATETIME("%m", 注文日) AS NUMBER)-4+13)
ELSE CAST(FORMAT_DATETIME("%m", 注文日) AS NUMBER)-4+1
END
このコードを大まかに解説すると、「もし販売日の月の数字が1~3月であるときはその月に+9した数字を出力してくださ。そうでない4~12月は-3した数字を出力してください」という内容です。
WHENの部分で1~3月であるかないかの条件分岐をして、THENの部分で真の場合の実行、ELSEの部分で偽の場合の実行が書かれています。
こんなめんどくさい条件分岐文じゃなくてもいいじゃないかという声が聞こえてきますが、この書き方だと決算月が7月の場合4の部分を7にかえるけで決算期間が可変できます。
連番フィールドをディメンションに追加します。
このように、表に連番カラムが表示され「4月のデータには1」「3月のデータには12」が表示されています。 - グラフで表示する
作成した表をグラフにします。
プロパティパネルの一番上にある三角をクリックして、表から棒グラフに変更します。
プロパティパネルの項目をこのように変更してください
ディメンション-注文日(月)
内訳ディメンション-年度
指標-[SUM]金額
並べ替え-[MAX]連番
サブの並び替え-年度
変更注意点は3つあります
1. ディメンション(X軸)の設定
月次にしたいの注文日の月だけの設定にします。
カレンダーマークにカーソルを合わせると鉛筆マークが出てくるのでそれをクリックします。
データの種類で「日付と時刻」をクリックし、「月」を設定します。
2. 並べ替えの部分を変更すると4月はじまりのグラフになります。
この時連番の集計方法がSUMだと1から順番に並ばないこともあるのでMAXやMINにしましょう。
3. グラフの棒の数を増やす
現段階だと設定上棒の数が10に設定されているため、1月までのグラフしか表示されません。
プロパティパネルのスタイルから棒の数の数字を大きくして3月まで表示させましょう。
12ヶ月分棒の数が欲しいので12に設定します。
完成です
まとめ
Looker Studioを使用して年度表示のグラフを作成することは、時間の経過と共にデータを理解し、重要なビジネスの洞察を得るための強力な方法です。上記の手順とヒントを活用することで、効果的なデータ分析を行い、より賢明な意思決定を行うことができるようになります。データは貴重な資源です。それを最大限に活用しましょう。