顧客データ統合基盤(CDP)開発とCookie規制
今回は昨今BtoCマーケティングにおいて欠かせない要素と言われる顧客データ統合についての記事です。
顧客データ統合の必要性
マーケティングにおいて顧客データの把握は重要で、
・商品・サービスの想定顧客へのターゲティングが高い精度で出来ているか
・顧客への最適なレコメンドによるクロスセル、アップセルを実現できているか
・売上の要因を把握して、商品やPRの改善を行うサイクルを回せているか
と、商品の売上に直結する要素と言えます。
一口で顧客データと言っても、ソースとなるチャネルは広範囲に渡ります。例えば、
・広告
・Webサイト
・アプリ
・ソーシャルデータ(Facebook,Instagramなど)
・POSデータ
・CRMデータ
などです。これらのチャネルの顧客データが統合されていないと、顧客理解としては不十分で、データドリブンな打ち手による商品や売上の改善が難しくなります。
Cookie規制の波
CookieとはWebサイトを訪れたときにブラウザに保存されるテキストデータのことです。Cookieが保存されることにより、例えばECサイトの場合、一度商品をカートに入れたら、次回同じサイトを訪問した時も、商品がカートに入ったままになっていたり、閲覧した商品に似た商品をレコメンドしたり、ユーザー側にもサイトの提供者側にも便利な仕組みです。
CookieにはファーストパーティCookieとサードパーティCookieの2種類あり、名前の通り、ファーストパーティが訪問しているWebサイトから発行されるCookieであり、サードパーティが訪問しているサイトとは別サイトから発行されているCookieになります。
このサードパーティCookieのおかげでサイト提供者は、いわゆるリタゲ広告(サイト訪問者に別サイトを見ている時にもターゲティングして広告を出す)や、外部サイトとのデータ連携による、顧客データ統合を可能にしていました。
現在このサードパーティCookieが個人情報保護の観点で、法規制とデバイスによる規制の両面で、制限されてきており、デバイスやブラウザによってはデフォルトで、非許可となっています。
Cookie規制後の顧客データ統合基盤開発
サードパーティCookieの規制により外部サイトとのデータ連携は難しくなったのですが、顧客データのチャネルはDXの推進や、PR形態や販路の増加により、多様化傾向にあります。
そのためより一層、顧客データ統合基盤の開発は重要であり、仕組みからきちんと設計していく必要があります。
・自社データの収集方法の充実
・外部データと紐付け可能な設計
がCookie規制後の顧客データ統合基盤開発の指針になります。(逆に言うとサードパーティCookieに代わる技術は今のところ存在しません)
顧客データ統合の手法
顧客データ統合には2つ手法があります。
名寄せ(マッチング)処理と、Webサイトへのタグ埋め込みによるトラッキングです。
どちらも最終的には顧客ごとに一意のIDを付与して、多様なチャネルの顧客データを一意に統合することを目的としています。
名寄せ処理では、個人情報(氏名、電話番号、メールアドレス)を元に識別子を設定して顧客の紐付けを行います。また、個人情報入力前の見込み顧客の場合は、IPアドレス、デバイス、OS、などの接続情報を元に紐付けを行います。
そのため時には統計的に〇〇%正しいといった確率的マッチングを採用する場合もあります。
Webサイトへのタグ埋め込みによるトラッキングは、ファーストパーティCookieにより、自社サイト内の顧客の行動をトラッキングしたデータを、既に登録済みの顧客データと紐付けます。(データポリシーに記載の上で実施可能です)
顧客データ統合についてはこんな感じです!実際にはデータのクレンジングやフォーマットの統一も必須となるので、コーディングやMLの実装による自動化・精度の向上も大事になってくるので、データエンジニアやサイトの設計者、全体のディレクションなど企業全体で取り組むテーマなのではないかと個人的に感じています!