AAA戦略とは?海外に投資・進出する際にどう戦略を考える?

皆さんは海外進出を考えたことはあるでしょうか。
海外進出によりビジネスは大きく広がりますが、戦略立案が大変難しくなります。
海外進出に向けて、戦略立案するためのフレームワークの一つに、CAGEフレームワークというものがあります。
CAGEフレームワークの視点で、自国と他国を分析することで、地域による差異を認識することができます。
ではこの差異はどのように克服すれば良いのでしょうか? この時に重要になってくるのがAAA戦略です。
今回はこのAAA戦略について図解します!!
目次
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導入 CAGEフレームワークを生み出した天才 バンカジュ・ゲマワットとは?
CAGEフレームワーク、AAA戦略はパンカジュ.ゲマワットが提唱した戦略です。
ゲマワットは、16歳でハーバード大学に入学し、22歳でビジネス・エコノミクスのPh.D.を授与された天才です。
卒業後はマッキンゼーに務めた後、ハーバード・ビジネススクールの教員を務め、史上最年少で正教授になっています。
ゲマワットは、世界の「距離」について着目しており、多国籍企業は距離の認識に基づいて、グローバル戦略を選択すべきとしていました。
「距離」というのは地理的な距離だけでなく、文化的な距離、政治的な距離のことを指しています。
では、そんなゲマワットが提唱した、CAGEフレームワーク、AAA戦略とは一体どういったものなのでしょうか?
課題 まずはCAGEフレームワークを知ろう
CAGEフレームワークのCAGEとは文化的(Cultual)、政治・制度的(Administrative)、地理的(Geographical)、経済的(Economical)の頭文字をとったものです。
4つの要素を細かく説明します。
・文化的(Cultual)
使用する言語、生活様式、宗教、社会規範、価値観などが当てはまります。
言語という点では、日本語は日本以外に使用している国はないので、どの国に進出するにしても言語的な差異が生まれてしまうでしょう。
・政治・制度的(Administrative)
法律、政治的な対立、規制等が当てはまります。
特に国同士の政治的な対立が起こっている場合、その国に進出するのは大変難しくなってしまうでしょう。
・地理的(Geographical)
物理的な距離だけでなく、気候の違い等も含まれます。
日本の場合、高温多湿な気候のため、アジア諸国に進出する時は、この差異は小さくなりますが、日照時間の短い北欧諸国などに進出する時は、この差異は大きくなってしまいます。
・経済的(Economical)
経済規模、インフラ等が含まれます。
特にインフラは発展途上国、先進国で大きく異なるため、差異が生じやすいです。
この4つの視点で、自国、他国を分析することにより、地域間の「距離」を認識することができます。
解決 CAGEを克服するための戦略、AAA戦略とは?
AAA戦略とは、上に挙げたCAGEフレームワークで認識した差異を克服するための戦略です。
AAAというのは適応戦略(Adaptation)、集約化戦略(Aggregation)、裁定戦略(Arbitrage)の3つのAを表しています。
それぞれ細かく説明します。
・適応戦略(Adaptation)
適応戦略とは進出する国一つ一つに、商品やビジネスを適応させる戦略です。
CAGEフレームワークを通して認識した差異を埋め合わせるイメージです。
・集約化戦略(Aggregation)
複数の国を一つの市場とする戦略です。
生産・開発拠点を集約させ、スケールメリットを得ます。
・裁定戦略(Arbitrage)
国ごとの差異を活用する戦略です。
例えば、労働賃金の安い国に生産拠点を移すといった戦略がこれに当てはまります。
上にあげたような3つの戦略を駆使することで、CAGEフレームワークで認識した差異を克服することができます!

結論 AAA戦略を使っていこう!
今回はCAGEフレームワーク、およびAAA戦略について図解、解説しました。
よくグローバル化という言葉を耳にしますが、パンカジュ・ゲマワットによると、今の世界は中途半端なグローバル化(セミ・グローバリゼーション)の状況に近いということが分かっています。
世界には依然として、文化的、政治的、地理的な距離が存在し、海外進出の際には大きな壁となっています。
よってCAGEフレームワークでその距離を認識したり、AAA戦略でその距離を克服した戦略を策定することは非常に重要です。
ぜひ、これらの内容は押さえておいてください!!
これらの戦略を、貴社のグローバルなビジネス展開にお役立ていただければ幸いです。