ABC分析とは?メリット・計算方法を解説!
店舗経営している方は、どのように仕入れ、陳列やメニューを決めていますか?
もしかして、スタッフや店長などの今までの経験や勘に基づいて決定などはしていませんよね?
実は、経験や勘に基づいた方法だと、売上が安定しなかったり担当者が変更になった際に売上が大幅に下がる可能性があります。
特に、景気や流行などの変化に対応するのが遅れてしまい、在庫廃棄や売上減少で大きな損失が出てしまう場合も...
そんな時に役に立つのが「ABC分析」です。
今回はそんなABC分析について、メリットや計算方法などを図解と共に解説していきます!
- 動画で図解を⾒る
導入 ABC分析とは何か?
そもそもABC分析とは一体何なのでしょうか?
ABC分析とは、特定のデータに基づきA、B、Cの3つのカテゴリーに分けて、それに従って優先順位を付けていくという分析方法です。
これは、重点分析とも呼ばれており、売上分析のみならず、経営効率を上げたりにも使用されます。
例えば、商品売上に基づくABC分析では、商品の売上高の高い順に商品をA、B、Cに分け、売上に貢献している商品を明確にします。
ABC分析で前提となっている考えがパレートの法則と呼ばれるもので、「物事の結果の8割は2割の要素によってもたらされる」という考えです。
つまり上位2割程度の商品に経営資源を集中させれば、効率がよくなるということです。
課題 ABC分析のメリットと注意点とは?
ではABC分析のメリットとは何でしょうか?
主にABC分析のメリットは以下の2つがあります。
1.データに基づいて現状の可視化が出来る
売上分析にABC分析を用いた場合、高い利益をもたらす商品や売れ筋の商品などを可視化することが出来ます。
その結果を基に在庫管理や陳列などの最適化をすれば、売上の向上が見込めます。
2.定期的な分析で売上予測がしやすくなる
ABC分析を定期的に行うことで、時期や季節ごとの売れ行きが把握出来るようになります。
過去の分析結果から未来の売れ行き予想がしやすくなり、在庫廃棄を減らしたり売れ筋の商品を予想して多く入荷することなどが可能になります。
ABC分析の注意点としては、ECサイトやネットショップの場合、売上貢献が低いカテゴリーの商品も取り扱いをすべき、ということです。
これは、ネットショップは実店舗に比べて在庫管理のコストが少ないことや、ニッチな層からのアクセスが期待出来るからです。
商品の品揃えが多い方が客層が広くなり、トレンドによるアクセス数の変化が生じにくいです。
解決 ABC分析の計算方法を解説!
では具体的にABC分析はどのように計算するのでしょうか?
1.データを集める
まずはデータを集めましょう。
売上を示す指標となるデータは、売上金額、粗利額、販売個数などがありますが、今回は売上金額とします。
2.全体に対する各商品の構成比を求める
次に全体に占める各商品の構成比を求めます。
構成比とは、全体に対して何パーセント占めているのかを示すもので、今回は「対象商品の売上金額÷全体の売上金額×100」で計算出来ます。
もしも100より大きい数値が出たら、計算が間違っている可能性が高いです。
きちんと「全体の売上金額」で割っているかを確かめましょう。
3.構成比を高い順に足していき商品を分類
まず、A、B、Cの分類ですが目安として
A:構成比の合計が70%になったときの商品群
B:構成比の合計が90%になったときの商品群
C:構成比の合計が100%になったときの商品群(A、B以外の商品群)
とします。
2で各商品の構成比(%)を算出したので、構成比が高い順に構成比を足して行きましょう。
そして構成比が70%になったときの商品がA、構成比が90%になったときの商品(Aを除く)がB、残りをCとします。
これで売上金額に基づくABC分析が完了です!
結論 勘にたよらない在庫管理で売上UPを!
今回は売上分析や在庫管理に役立つABC分析について解説しました。
人の経験や勘ではなく、データに基づく分析により担当者が誰であっても同様の成果を出すことが出来ます。
また、定期的にABC分析を行うことで時期や季節ごとの売行き変化やトレンドを可視化できます。それによって、売上が安定したり売上UPのチャンスを逃がしにくくなったりします。
注意点として、ネットショップ経営の場合は売上貢献度の低いカテゴリーの商品もしっかり取り扱いましょう。
実店舗と違い在庫管理コストが低いネットショップでは、商品を幅広く扱った方がニッチな層からのアクセスが期待でき、広い客層を持つことでトレンドに影響されない安定したショップになるからです。
算出方法も割り算と足し算のみで非常に簡単な物ですので、今まで人に依存していた店舗経営をしていた方は是非一度ABC分析をしてみてくださいね!