AWSのブレンドコストと非ブレンドコストの違いを解説【計算例あり】
AWSにはブレンドコストと非ブレンドコストがあります。このややこしい違いを計算例付きで解説しています。
目次
AWS Cost Explorerのコストにあるブレンドコストと非ブレンドコストとは?
AWS Cost Explorerではブレンドコストと非ブレンドコスト両方が表示できます。
この両者の意味の違いは何でしょうか?
ざっくりと言うと、非ブレンドコストの方が実際に使用した正確な値を算出できると思っていれば大丈夫です。下記にケースごとでのブレンドコストと非ブレンドコストでの違いを説明したいと思います。
ケースごとに見るブレンドコストと非ブレンドコストの違い
ケース1:RIを購入している場合
Amazon Web Services(AWS)を利用する際、Reserved Instances(RI)を購入すると、コスト計算において非ブレンドコストとブレンドコストが異なる挙動を示します。
・非ブレンドコスト:0になりますが、これがより正確な数値となります。
・ブレンドコスト:0にはなりません。
例えば、RIの料金はブレンドレートの計算には使用されないため、非ブレンドコストは常に0.00 USDになります。非ブレンドコストが正確な数値を提供するため、RIを購入している場合は非ブレンドコストを参照することが重要です。
ケース2:AccountIDが複数ある場合
AWSでは、アカウントごとにコストが発生します。この場合、各アカウントの正確なコストは非ブレンドコストで確認できます。一方で、ブレンドコストでは正確な値は確認できません。
ポイントの要約
1.非ブレンドレート:製品の定められた価格(利用量によって変化する階層構造)を示すもの。
2.ブレンドレート:異なるサービスやアカウントのコストを1つに統合する際の重み付けされた平均。
ブレンドコストと非ブレンドコストの計算例
例として、Amazon EC2のブレンドコストと非ブレンドコストを計算します。
前提条件:
・使用量が同じ
・使用タイプが同じ
・アベイラビリティーゾーンが同じ
・リザーブドインスタンスの期間が同じ
この場合、管理アカウントの合計コストは、各メンバーアカウントの使用量と非ブレンドレートの合計を計算することで求められます。ブレンドレートとブレンドコストは管理アカウントの合計コストから計算されます。
具体的な計算式
メンバー1,2アカウントがある管理アカウントの合計コスト
=各メンバーアカウントの使用量*非ブレンドレートの合計=16.56USD
(14400+7200+720*0.023=16.56)
・ブレンドレート=管理アカウント合計コスト (16.56 USD) /合計使用時間 (1440+720+720=2,880 時間)
=1 時間あたり コスト(0.005750000 USD)
・ブレンドコスト=1 時間あたり コスト(0.005750000 USD) *各アカウントのサービス使用量(2880時間)
=合計コスト (16.56 USD)
・メンバーアカウント2のブレンドコスト= 720時間*0.00575=4.14USD
・メンバーアカウント2の非ブレンドコスト=720時間*0.023USD(規定されている1時間当たりのコスト)=16.56USD
結論
AWSコスト管理において、RIを購入している場合や特定のAccountIDが複数ある場合には、非ブレンドコストがより正確な情報を提供します。正確なコスト情報を把握するためには、適切なコスト要素を選択し、非ブレンドコストを重視することが重要です。