どうしたら業務を効率化できるのか?RPAの導入効果とおすすめツール
業務の効率化を図るツールとして近年、活気があるのがRPA業界。国内外の多くの企業がRPAを導入して、業務効率化、コスト削減を実現しています。RPAは、人手不足や働き方改革の推進に役立つといわれています。今回は、RPAの基本を解説するとともに、国内外の有力なツール6選を取り上げてご紹介します。RPAは企業にとって大きな助けになるものの、導入に失敗してしまう例もあります。導入時に注意する点などもあわせてご紹介するのでぜひ参考にしてみてください。
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導入 なぜいまRPAが注目されているのか?
働き方改革の推進や少子高齢化による人手不足などの課題に直面している企業の多くは、業務効率の改善を図りたいと考えていることでしょう。
業務を効率化できれば長時間労働から解放され、少ない人員でも今までと同等かそれ以上の業務量をこなすことができます。また効率化によって生まれた時間をより重要な業務に振り向けることで業績向上につながります。
しかし業務効率化を実現することは口で言うほど簡単なことではありません。具体的な方策として挙げられるのは、業務フローの見直し、高い能力を持つ人材に仕事を任せる、業務をアウトソーシングするなどあります。しかし、いずれの方法もコスト面や有能な人材不足などのデメリットがあります。
そこで、いま最も注目されているのがテクノロジーを活用したRPAの導入です。低コストで簡便に使えるRPAは、企業の業務効率を向上させる有効なツールです。
課題 RPAとは?国内の導入率
RPAとは「Robotic Process Automation」の略で、ロボットを使って業務を自動化させるITツールです。デスクトップ型、サーバ型、クラウド型の3種類があります。これまで人が手動で行っていた定型的な業務を、ロボットに代行させることでさまざまなメリットが得られます。
たとえばRPAを導入することで人員を削減できるのでコストを下げることができます。また時間がかかりミスも発生しがちな定型的な業務をすべてRPAに任せれば、業務効率化につながります。
RPAは現在ホワイトカラーが行っているPC作業の大部分に対応できるといわれています。表計算ソフトへの入力や営業担当者のレポート作りなど、時間のかかる定型業務をRPAに置き換えることが可能です。
MM総研「RPA国内利用動向調査2020」の調査によると、国内の大企業の51%、中堅・中小企業の25%がRPAをすでに導入しています。
解決 国内外のRPAツール6選
RPAは国内外のベンダーがさまざまなサービスを提供しています。ここでは、国産、海外のRPAツールを3つずつ紹介します。
【国産】
●BizRobo!
国内2,200社以上に導入実績があります。世界中のさまざまなツールの中から企業にあったRPAを提案してくれます。プログラミングの知識が不要なので、ITの専門人材でなくても使いやすいツールです。
●WinActor
NTTグループが開発したRPAで国内のシェアNo.1といわれています。PC上のあらゆるアプリケーションの操作を学習し、自動的に実行するソフトウェアです。プログラミングの知識が不要で誰でも利用可能です。
●Autoジョブ名人
スモールスタートしやすいデスクトップ型のRPAです。安定した稼働が可能で使用中のエラーが少ないツールとして評価を得ています。サポート体制も充実しているので、はじめてRPAを使うユーザ−にも適しています。
【海外】
●UiPath
UiPath は2005年にルーマニアで創業し、全世界に展開している企業です。サーバー型、デスクトップ型の両方に対応し、日本語マニュアルもあります。MM総研「RPA国内利用動向調査 2020」における調査では大手企業における浸透率で45%を記録し、国内外の他社製品を押さえてNo.1に輝きました。
●Automation Anywhere
アメリカに本社を置く企業が開発し、世界90ヶ国に導入実績があります。サーバー型のシステムを提供し、セキュリティレベルの高さや使いやすさに定評があります。定型業務だけでなく非定型業務にも強いRPAツールです。
●Octoparse
プログラミングの技術が不要でクリックだけで簡単に使えるアメリカ企業が開発したツールです。クラウド型でも提供しているので、24時間いつでもどこからでもデータ抽出可能。セキュリティ面でも強みを発揮します。
結論 RPAを導入する時に注意することとは?
RPAは業務を自動化して効率アップが期待できるツールですが、注意点もあります。
たとえば、RPAの得意分野は定型的な単純作業の自動化なので、それ以外の複雑な業務については対応ができないケースがほとんどです。
業務内容によっては、RPAを導入しても費用対効果が低い場合もあります。事前に業務内容と利用用途、効果について分析を行った上で導入するのが良いでしょう。
他にも、RPAを使いこなせずに結局解約したり、誰も使わなくなるケースなども起こりがちです。
こういったケースも事前に想定や分析が甘いために起こる失敗例です。事前に業務内容とRPAの機能を把握した上で導入を慎重に検討する必要があるでしょう。
またRPAでは誤作動やエラー、システム停止などのリスクもあります。RPAへの指示が不適切であったり間違っていたら、機械的な処理が続くので、ミスが継続することになります。またシステム障害が起こる可能性も考慮に入れた運用を事前にマニュアル化するなど対策を講じておくことも大切です。