事業計画の立て方とは?盛り込む要素とポイントなどを解説
経営を行うにあたって避けて通れないのが事業計画の立案と実行です。3ヵ年計画や5ヵ年計画など、中期的な視座に立ってプランをつくり、プロセスを管理しながら行動するための指針となります。事業計画は社内外の関係者に向けて、会社やビジネス、新サービスを説明するために必須です。この記事では、そもそも事業計画とはどういったものか、また、事業計画で盛り込む要素にはどのようなものがあるのか、具体例や事例などを紹介しながら解説していきます。
導入 事業計画の立て方とは?盛り込む要素とポイントなどを解説
事業計画とは、製品・サービスや新しいビジネスプランなど会社の事業内容や方針、具体的な施策などを文書化したものです。社内および、出資者や提携先などすべてのステークホルダーに向けて発表します。
通常の事業計画では、3カ年や5カ年での中期計画の立案を行います。これは、1年〜2年の短期間ではすぐに成果を出すのが難しいためです。
事業計画は、会社にとって事業の方向性を示すことができると同時に、計画の進捗を図れて、場合によっては軌道修正を行うためにも必須です。社員にとっては、会社のビジョンを理解するために必要です。さらに、事業計画を理解することで日々の業務を行う上で自分の役割や取るべきアクションが明確になります。提携企業や金融機関や株主にとっても、会社の方向性を見極め、新たな出資や協力が必要か、その妥当性をはかるための指針となります。
課題 事業計画に盛り込む要素とは
事業計画に必要な要素は多岐にわたります。主な項目は以下の通りです。具体的なビジョンや数値を記載することが大切です。
・企業概要
代表者や所在地、電話番号、役員、従業員数、株主など基本的な事項
・事業内容
計画している事業内容
・事業のコンセプト、テーマ、背景
誰に対してどのような商品・サービスを提供し、どのような価値を生み出すのか、なぜその商品・サービスを市場に投入するのかについての理由や背景
・外部環境分析(競合・市場規模・顧客)
競合や市場規模や今後の推移、ターゲット層
・内部環境分析(自社の強み、従業員などのリソース)
他社と差別化できる強み、従業員の数や能力、特性
・販売、マーケティング戦略、ビジネスモデル
販路やPR戦略、広告戦略など
・体制、人員計画
人員の数や組織図、外部の協力企業など
・財務計画(売上、利益、経費)
売上、利益、経費に関する具体的な数値
解決 事業計画書を作成するためのポイント
ここでは事業計画書の具体的な作成方法を見ていきましょう。
●事業環境の分析(外部・内部分析)
外部環境分析では、競合他社がどこでどのように収益を上げているのか、市場規模と今後の推移、さらにはターゲットとなる顧客層を特定します。
また内部環境分析では、SWOT分析(強み、弱み、機会、脅威)などを駆使して、自社の特徴を洗い出します
自社を分析する際には、スキル、ノウハウ、リソース、組織力、資金力、風土、ビジョンなど多角的に分析します。外部・内部環境を分析し、他社と比べた優位性を特定します。そして顧客に対してどのような価値を提供できるのかを明確にします。
●目標の設定
3カ年計画や5カ年計画では、現状を分析した上で将来の目標を定めます。3年後にどの程度の売上・利益・シェアなどを達成しているのか、数値目標を明確にします。
●課題を洗い出す
目標に対して、現在抱えている課題を洗い出します。営業力や人材不足、スキルやノウハウの欠如、さらには外部との提携や協力なども視野に入れて、将来の数値目標を達成するためのプロセスや仕組み、人的・資金的な課題を列記します。
●解決策の立案
課題を解決するための具体策を考え出します。営業、マーケティング、組織、人材、資金など多岐にわたる課題に対して具体的な解決策とアクションを明確にします。
それぞれの課題に対しては取り組む期間、難易度、テーマごとに進捗を管理して、課題を解決するためのスケジュールを立てます。組織内でビジョンとアクションを共有するためにも、明確に言語化・数値化することが重要になります。
結論 事業計画書で意識する点とは?
事業計画書は業界ごとや目的ごとに適切な書き方をしなければなりません。
たとえば、競争が激しく差別化が難しいアパレル業界であれば、価格が高くても品質やブランド力を強化することで差別化を図ることができます。
そうした自社の強みを事業計画書で全面に打ち出すことで、資金調達や提携企業からの支援が得られるようになります。また自社のスタッフに対するインナーブランディングにも役立ちます。
またニッチな産業やあまり市場規模が大きくない事業に関する計画書であれば、収益化を実現する仕組みやPR方法などのビジネスプランを入念に作り込む必要があります。
事業計画書を読む社内外の人間が理解できるような書き方を意識しなければなりません。
また市場の現況はもちろん、これからどのように市場が拡大するのか、どれだけの消費者を取り込めるのかなど、将来性についても的確に分析した結果を記載するべきでしょう。