CX向上が企業にとって大事?向上させる3つのポイントとは?
CX(カスタマーエクスペリエンス)という言葉が注目されています。直訳すると「顧客体験」になります。顧客に商品やサービスを提供するだけでなく、様々な体験も一緒に体験してもらうことを意味します。2000年代以降単なる商品購入やサービス提供だけにとどまらず、CXをいかに向上させるかが、マーケティングにとっては大事と言われています。
企業がCXを向上させるための3つのポイントがありますので、図解してご紹介していきます。
目次
導入 CXとは?発祥と重要視される背景をご紹介
CXとはCustomer experienceで、顧客が購入の前後に企業と一連の交流体験を行うこととなっています。CXについて歴史をたどると、1982年に既に消費者行動についてHolbrook & HirschmanがCXを次のように定義しています。
「顧客が、ある企業と接点を持つときに体感するイベント全体のこと」とし、消費者は単に物やサービスを購入するだけでなく、消費すること自体を楽しんでいる、合理的に商品を検討して購入するだけでなく、感情的、感覚的、肉体的、精神的な面でも消費者は何かを体感していると定義しています。
それまでは無視されることの多かった消費者の感情や楽しみ方にも、スポットが当てられたと言えるでしょう。
そして、2000年代になって実際にビジネス面でもCXが重要なことが定着していきます。顧客満足度やロイヤリティ、顧客収益性が企業にとって大切であること、顧客の消費行動による交流や体験、消費者の内的な主観が大事にされるようになっています。
課題 CXはどんなことを重要視するのか?
消費者行動を考える際、CX(顧客体験)を大事にするようになってきていますが、では実際に企業はどんなことをすればいいのかをご紹介します。
「経験価値マネジメント」の著書でバーンド・H・シュミットは、消費者の「Sense(感覚的)」「Feel(情緒的)」「Think(知的)」「Act(行動、ライフスタイル)」「Relate(社会的)」の感情的な価値を大事にすることと説いています。
多くの人は、商品購入やサービスを求めるだけでなく、「Sense(感覚的)」「Feel(情緒的)」「Think(知的)」「Act(行動、ライフスタイル)」「Relate(社会的)」なことを大事にします。
商品を買う、サービスを受けることで、感覚的に満たされ、情緒的に満ち足り、知的に満足し、行動、ライフスタイルを変えたりすることがあります。例えば、花を頻繁に買うことでその人の暮らしが変わり、スマートフォンを持つことでデジタルなライフスタイルに興味を持つようになるでしょう。
最近では企業がSDGs(持続可能な開発目標)やESG(社会・環境・ガバナンス)に深く関わるようになってきていますが、これらは消費者の「Relate(社会的)」の感情的な価値観に訴えたものです。
解決 CXを向上させるための大事なポイントとは
CX(顧客体験)を向上させるためのポイントとしては、3つあります。
①感覚に訴える
顧客の感覚に訴えるとは、「この店は丁寧なサービスをする店だ」「清潔感のある店だ」「この店に来ると楽しい」と接客や店の雰囲気が感覚に訴えることで、満足感や充足感を感じます。
②知覚に訴える
「店舗のデザインがおしゃれで洗練されている」と知覚に訴えるのも効果的です。Webサイトのデザインなども大事にして知覚に訴えるといいでしょう。
③興味や関心、趣味嗜好に訴える
顧客の興味や関心、趣味嗜好まで理解することも大事です。顧客リストを作ったり、アンケートを行ったり、SNSの投稿やWeb検索から顧客の興味や関心、趣味嗜好を知って応えるようにするのがおすすめです。
3つのポイントに従って、顧客のCX向上を目指すようにすると、売上や集客になかなか結び付かない場合にも役立ちます。
結論 CX向上の機会増加!感覚・知覚・興味関心に訴えるのがおすすめ
CX(顧客体験)を向上させることが売上に繋がります。顧客の「Sense(感覚的)」「Feel(情緒的)」「Think(知的)」「Act(行動、ライフスタイル)」「Relate(社会的)」な面を理解すること、しっかり分析して理解することが大事なことと言えます。
商品やサービス提供だけでなく、本当は顧客が何を欲しているのか、どうなりたいかといったCX(顧客体験)まで満足させてあげることが大切です。
SNSなどが盛んになり、消費者と企業の距離は縮まっています。顧客がSNSを通じて口コミやレビューなどの意見を言う機会も増加。企業もSNSを通じて顧客とのコミュニケーションや価値提供を行う機会が増えています。顧客をより分析して、CXを向上させることがマーケティングでは重要です。
「感覚に訴える」「知覚に訴える」「興味や関心、趣味嗜好に訴える」の3つのポイントを大事に、マーケティングしてみるといいでしょう。