用語集
2024/12/23
SiNCE 編集部

DataDog徹底ガイド2025:AIとセキュリティを統合する次世代IT運用プラットフォームの最前線

DataDogの基本から最新機能、AIとの統合、セキュリティ監視、将来展望までを包括解説。DASH 2025で発表されたアップデートや、LLM・エッジ対応、FinOps戦略まで、現代IT運用を成功に導くための決定版ガイドです。

はじめに

デジタルインフラがますます複雑化し、AI、クラウド、セキュリティの重要性が急速に高まる中、DataDogはもはや単なる「監視ツール」ではありません。


現在のDataDogは、統合型オブザーバビリティ+セキュリティ+AI自動化という3本柱で、次世代IT運用を支える中核的プラットフォームへと進化しています。


本記事では、DataDogの基礎から、DASH 2025で発表された新機能、活用事例、AIとの統合、そして2026年以降を見据えた最新トレンドまで、徹底的に解説します。


DataDogの基本概念

DataDogとは何か?


DataDogはクラウドネイティブなITインフラ・アプリケーションの観測、可視化、分析、保護を一元的に行えるSaaS型プラットフォームです。


サーバー、Kubernetes、コンテナ、マイクロサービス、サーバーレス関数など多様な実行環境のデータを統合し、リアルタイム監視やアラート通知、ダッシュボード構築を支援します。


DataDogの重要性とは?


現代の分散型システムにおいて、パフォーマンスの最適化、異常の即時検出、セキュリティ対応の迅速化は不可欠です。


DataDogはこれらを包括的にカバーするため、DevOps、SecOps、SRE、プラットフォームエンジニアリングチームから高く評価されています。


DataDogの最新プロセスと技術

最新の監視プロセス



  • エージェント導入:クラウド/オンプレ問わず多数のサービスと統合

  • 統合ダッシュボード:ノーコードで構築でき、AIによるインサイト提示も強化

  • Watchdog AI:異常や急変動の自動検出&解説機能が向上(2025年強化)


高度なインフラ監視



  • Kubernetes、AWS、Azure、Google Cloudとの連携でクラウドインフラの一元監視

  • GPUモニタリングやLLMのリソース使用状況も追跡可能(生成AI時代対応)


ログとトレースの統合分析



  • ログ/メトリクス/トレース/セキュリティイベントを単一ビューに統合

  • DDSQL EditorによりSQLで横断分析

  • 最大7年間のログ保存(Flex Frozen)で長期トラブル解析にも対応



主な応用領域

クラウドコスト管理(FinOps)



  • Cloud Cost Managementにより、クラウド支出のリアルタイム把握と予測

  • Datadog自身の料金最適化(使用量、ライセンス、保存設定など)にも有効


マイクロサービスとサーバーレス監視



  • 分散トレーシングでサービス間依存のボトルネックを可視化

  • AWS LambdaやAzure Functionsにも完全対応し、非同期処理の監視が強化


セキュリティ統合



  • Cloud SIEM/Application Security Monitoring/CI/CDセキュリティ対応

  • IaCセキュリティスキャンやリスクスコア、アノマリ検知を実装

  • エンタープライズ対応として権限管理・データガバナンス機能も拡充


AIとの融合・自動化

Bits AI:生成AIを活用した運用補助エージェント



  • Bits AI SRE Agent:インシデント対応を要約&根本原因分析を提案

  • Bits AI Security Agent:セキュリティ脅威に対するナレッジベース応答

  • Dev Agent(開発者向け):アプリケーションメトリクスのQA支援


LLM Observability



  • モデル応答のパフォーマンス、エラー率、トークン使用状況をエンドツーエンドで可視化

  • AI製品の信頼性監視が可能に(2025年正式版リリース)



DataDogのメリットとデメリット

メリット



  1. フルスタック統合監視:インフラ〜アプリ〜セキュリティ〜コスト管理まで対応

  2. 自動分析とAI支援:アラートの背景分析や最適アクションを提示

  3. スケーラビリティ:小規模SaaSから数千台規模のエンタープライズまで対応

  4. セキュリティ基盤としても利用可能:SIEMやリスク分析を内包


デメリット



  1. コスト:全機能を使うと費用が高額化する傾向(特にログやAPM)

  2. 設定・習得に時間がかかる:特にカスタム監視や異常検知チューニングは要トレーニング

  3. データプライバシー懸念:データがクラウド上に送信されるため、規制国では要配慮

  4. 日本語対応が限定的:UIやサポートの日本語化は限定的な場面もあり


今後の展望(2025〜2026年)

1. AI主導のAIOps進化



  • AIエージェントが異常検知から**自律対応(Self-Healing)**まで担う未来が加速中

  • 生成AI観測/LLM性能監視機能の一般化へ


2. エッジ/IoT環境の監視拡大



  • 小型デバイスや製造ライン、医療IoTのローカル監視+クラウド連携対応が進展


3. データ主権/地域ガバナンス対応



  • オーストラリアやEU、アジア向けに地域別データ保存ポリシー対応が進行中


まとめ:DataDogは「観測+保護+自動化」時代の中核

DataDogは、従来の監視ツールから進化し、運用の高度化・セキュリティの強化・AIによる自動化を実現する次世代プラットフォームとなっています。


複雑なマルチクラウド環境やハイブリッド構成にも強く、開発・運用・セキュリティの垣根を越えて組織全体のDX基盤を支える存在として注目が集まっています。


DataDogの導入や拡張を検討している方は、DASH 2025や公式リリースを定期的に確認しつつ、運用設計・ROI評価を合わせて行うことをおすすめします。


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