ドミナント戦略【dominant strategy】
ドミナント戦略【dominant strategy】
ドミナント戦略とは特に小売業の店舗展開において、特定のエリアに経営資源を集中して投入することで、そのエリアで競合他社より優位に立ち、市場の独占を狙う戦略。ドミナント(dominant)には、「支配的な」「独占的な」といった意味がある。
この戦略では経営資源で効率的にシェアを獲得するために、どの地域にも手を出すのではなく特定の地域に絞ることが基本戦術となる。
メリットとしては、限られた資源で効率的なシェア獲得が期待できる、一定のエリア内で効率的な配送ルートを設定することで物流費用を抑えられる、エリアに絞った広告宣伝を行えばよいので広告費用も削減できる、といったことが考えられる。
一方、エリア環境の変化から生じるリスクが集中する、消費者のライフスタイルの変化による影響を受けやすいといったデメリットもある。
たとえば、出店エリアの人口が減少すると各店舗での売上も減少するため、全体として大きな打撃を受けることになる。また、近年はネット通販や宅配サービスが新たなライバルとして台頭しているため、単純にエリア内に大量出店すれば勝てる時代ではなくなった。そのため、エリア限定のサービスや付加価値を充実させるなどの施策が必要となるだろう。