フラットな組織は効果的?近年話題なホラクラシー組織を解説
ホラクラシー組織という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
ホラクラシー組織とは組織内に役職や階級が存在せず、上司・部下といった概念が存在しない組織形態のことです。
意思決定権が各グループやチームに分散していて、現場の判断でスムーズに意思決定から実行を行えます。
そんな新しい組織形態のホラクラシー組織のメリットやデメリット、ヒエラルキー型組織やティール組織との違いなどを図解とともに解説していきます!
目次
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導入 ホラクラシー組織って一体何だろう?
ホラクラシー型組織とは、2007年にHolacracy One(ホラクラシー・ワン)社が生み出した、役職や上下関係が無い組織構造のことです。
名前も社名の一部であるHolacracy(ホラクラシー)から名付けられました。
日本の企業には上層部の人が意思決定をして、それを部下に指示していくトップダウン方式の組織(ヒエラルキー型組織)が多いです。
しかしホラクラシー型組織では組織のメンバー全員が対等な立場で意思決定権が組織内で分散しているのが特徴です。各メンバーが大きな裁量を持つので個人の主体性が高まることが期待されます。
そんなホラクラシー型組織は、ヒエラルキー型組織やティール組織と何が違うのでしょうか?
課題 ヒエラルキー型組織やティール組織との違いとは?
まずヒエラルキー型組織との違いは何でしょうか?
ヒエラルキー型組織とは、日本の企業に多い組織形態で、意思決定がトップダウン方式で行われる組織のことで組織が『階層』(ヒエラルキー)構造になっています。
つまり、意思決定権の存在する場所がホラクラシー組織と異なります。
また役職が存在し、役職に就く人は給料が高いですが責任を担う必要があり、組織以内で責任の所在が明確になっているという特徴もあります。
次にティール組織との違いは何でしょうか?
ティール組織とは、社長や上司のみが組織の意思決定をするのではなく、個々の社員が各自意思決定をする組織のことです。
一見ホラクシー型組織と同じように思えますが、ティール組織はホラクラシー組織よりも抽象度がより高い概念です。
ティール組織の中の1つの組織形態としてホラクラシー型組織が存在するという位置づけになっています。
解決 ホラクラシー型組織のメリット・デメリットとは?
そんなホラクラシー型組織のメリット・デメリットは何でしょうか?
まずメリットとしては次のようなものがあります。
①社員が主体性をもって行動する
ティール組織では社員の能力に合わせて裁量権が与えられるので当事者意識が高まります。結果主体性を持って行動するようになります。
ただし責任に対してきちんとした決め事・ルールがないと、責任への恐れから消極的になるケースがあります。
②組織が変化に柔軟に対応出来るようになる
近年は技術の進歩・グローバル化により先行きが不透明で将来の予測が困難な状態(VUCA)と言われています。そんな中現場の社員が裁量権を持って行動することで意思決定から実行まですぐに行えます。
一方でデメリットとしては次のようなものがあります。
①業務遂行能力・自己管理が出来ないと組織が成り立たない
現場レベルで裁量を与えている分、社員一人一人が業務遂行能力が高く、自己管理出来ていないと組織として成立しません。
②責任への恐れから消極的になる
これは日本人を含め東アジアの人々に多いですが、責任を取ることを非常に嫌います。
ヒエラルキー型組織では役職にいる人は責任が伴いますがその分給料も高くなります。
しかしホラクラシー型組織では責任に対して十分な給料が払われるようなルールがなかったり、責任の所在が不明瞭だと社員が消極的になってしまいます。
結論 ホラクラシー組織を導入する際には十分な検討と覚悟を
ホラクラシー型組織とは、組織内に役職や階級が存在せず上司・部下といった概念が存在しない組織形態のことで、意思決定権が各グループやチームに分散しているので現場の判断でスムーズに意思決定から実行を行えます。
組織が変化に対して柔軟に対応出来るようになったり社員が主体性を持って業務を行うことで企業の業績アップを期待出来る一方で、自己管理が出来るメンバーで構成される必要性があったり、責任の所在が不明瞭がだったり給料に似合わない責任が伴ったりすると社員の主体性を逆に下げてしまう可能性があります。
特に日本人は責任を避ける、責任の対価として高い報酬をもらうという考えをしがちであり、しっかりとしたルールや規範を設けなければ組織の混乱や逆に社員の消極性に繋がる可能性があります。
ホラクラシー型組織の導入を考える際は、メリット・デメリットや向き不向きを十分に考慮して、まずは小さなチーム単位で導入するのが良いでしょう。