流行りのネットショップを経営する上で必要な「在庫回転率」を改善するポイントは?
昨今、商品はネットショップで購入する人の割合が多くなっていますが、小売りビジネスにおいて、常に自社で販売している商品が売れる状態にしておくことは重要なことです。しかしながら、食料品においては「消費期限」、アパレル等の衣料においては、流行り廃り等の「トレンド」があるため、大量にものを仕入れて倉庫に眠らせておく期間を短くする必要があります。つまり、在庫の回転管理は小売りビジネスをする上では必要不可欠の知識になります。今日は、この「在庫回転率」のポイントについて、図で解説していきたいと思います。
目次
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導入 在庫回転率とは何か?また、なぜ、把握しなければならないのか?
「在庫回転率」とは、商品在庫が効率よく売上に転換されているかどうかを計る経営指標のことで、主に、製造業、小売業、卸売業で重要視されています。
製造業では生産管理、小売業では商品管理、卸売業では在庫管理という言葉で管理されることもあります。
特に、最近の小売りビジネスは、コロナ以前は、店舗での販売が主流でしたが、コロナ禍をきっかけに、自治体からの外出自粛の要請もあり、今までオンラインショッピングをしたことのない人の多くが、Amazonや楽天市場で買い物をすることが多くなってきました。
しかしながら、こういったオンライン販売の業態で重要なことは、カタログ掲載品の全てにおいて同じ量の在庫を持つのではなく、売れ筋商品は手厚く、売れていない商品は最小限の在庫にしておくことが、倉庫代や管理費用を抑える上で重要になりますし、仕入れた商品が現金化されるスピードにも影響を与えます。
つまり、商品ごとの「在庫回転率」を把握することが、小売りビジネスで成功するポイントになります。
課題 販売ビジネスを左右する在庫回転率の計算方法とは?
「在庫回転率」は、一定の期間で在庫の入出荷数を数値で示したもので、その求め方は、「在庫数量」をベースとした計算をする事で、決算書に頼ることなく計算でき、現場や在庫管理の実態を把握が可能となります。
<計算方法>
在庫回転率=一定期間の総出庫数-一定期間の平均在庫数
また、決算報告の際には、金額をベースにした計算で、会計年度全体での在庫回転率を求めることがあります。
<計算方法>
在庫回転率=当該年度での売上原価-当該年度での平均在庫金額
ただし、この金額を使った計算には、商品だけでなく、仕掛品・原材料・貯蔵品も含まれ、商品の原価以外の要素にも左右されるため、正確な回転率を求めるのは難しいのが実態です。(主に、製造業での指標にするもの)
解決 在庫回転率の改善のポイントとは?
在庫回転率が上がらないということは、”商品が売れていない”ことを意味するため、競合他社動向や対象商品の実売価格等を調べ、当初設定した以下の内容を再設定する必要があります。
1)需要予測
2)適正価格
3)販売価格
4)目標設定
また、上記を再設定する際、倉庫に長期間在庫として眠っている”不良在庫”の処分の検討が必要です。
廃棄することは最終判断とし、まずは、在庫一掃キャンペーンでの値引き販売を検討する事が賢明です。
その他、在庫回転率を上げる為の施策として、以下を実施することにより、当初設定した目標値の再設定をすることが必要になります。
1)リードタイムの短縮(物流チャネルの見直し)
2)定期的な在庫整理(在庫管理システム導入)
結論 販売ビジネスで成功している企業は、販売/物流チャネルを強化
販売ビジネスを成功に導く要因は、在庫回転率を向上させることは理解出来たと思います。言い換えれば、仕入れた商品をいかに早く売るか!と言うことになります。
Amazonや楽天市場のようにWEB販売に特化した企業は特に物流網の強化に力を入れており、会員種別や購入額により、翌日には購入商品が届くサービスがあります。
では、WEB販売に特化していない販売形態の企業で成功した某化粧品メーカーの成功の秘訣をご紹介します。
同メーカーでは、対面で販売する実店舗(百貨店など)と、インターネットで気軽に化粧品を購入できる通販サイト、そして、美容情報を配信しているWEBサイトという3つの流通チャネルを持っています。
これら3つのチャネルを上手く連携させて顧客にアプローチしながら、Webから実店舗への誘導や、実店舗からWeb上での購入を促すことで、売り上げを拡大させることに成功されています。
現在のコロナ禍で百貨店でも限定商品を置くなどしてWEB販売を強化していますが、WEBに無い商品もしくは現物を確認したい商品は実店舗で確認して購入できることがメリットとなっています。
つまり、在庫回転率を上げる為には、差別化戦略の見直しが必要と言うことになります。