用語集
2021/07/07
SiNCE 編集部

社員のモチベーションを上げるためには?具体的な7つのポイント

従業員のパフォーマンス向上はもちろん、退職率を低下させる方法としても重要なモチベーション管理。海外企業に比べて日本企業の社員はモチベーションや会社への愛着が低いといいます。マネージャーや管理職が部下のモチベーションを向上させるためにできることはどのようなものなのでしょうか。具体的なポイントを7つ挙げ、社員のやる気を上げる施策について考えていきます。またモチベーションアップを実現させている成功事例も2社紹介します。

  • 動画で図解を⾒る

導入 モチベーションとは?社員のやる気を引き出すためには

ビジネスパーソンがパフォーマンスを最大化させるためには、モチベーション向上が欠かせません。日本企業の社員は外国企業の社員に比べて仕事へのモチベーションが低いといわれています。モチベーションは仕事の生産性に深く関わり、ひいては企業業績にも影響してきます。先進的な外国企業が高いモチベーションで仕事に臨み、売上・利益を拡大している背景には社員一人ひとりのモチベーションが高いという点も上げられるでしょう。

そもそもモチベーションとは、「やる気」「動機づけ」とも訳されます。ビジネスシーンにおいては、企業や個人・チームが目標を遂げるための「意欲」こそがモチベーションです。

働き手にとってのモチベーションは、「外発的要因」「内発的要因」の2つに左右されます。外発的要因とはインセンティブ、人事評価、昇任・昇格など、企業の制度や仕組みなど外的な働きかけによって、意欲を高めることです。一時的、即効的なモチベーション向上に役立つといわれています。

一方、内発的要因とは、働き手の内部から湧き上がるやる気です。仕事に対してやりがいを感じ、「ぜひやりたい」「やる意義がある」「関心・興味・情熱がある」状態を指します。外発的要因に比べて、仕事への関わりが深まり、成長にもつながりやすいといわれています。

課題 モチベーションとは?社員のやる気を引き出すためには

社員のモチベーションアップに対して課題を感じている企業は多いでしょう。まずは社員がどのようにモチベーションを高めるかの仕組みを理解しておかなければなりません。そのための手がかりになるのが、「マズローの5段階欲求説」です。人間が欲求を満たすための5段階をピラミッド式に表現したものです。

<マズローの5段階欲求説>
第一段階:生理的欲求(食欲、睡眠欲など基本的な欲求を満たしたい)
第二段階:安全欲求(安心・安全に暮らしたい)
第三段階:社会的欲求(他者と関わりたい)
第四段階:承認欲求(他者から認められたい)
第五段階:自己実現欲求(自分の能力を発揮して「あるべき自分」になりたい)

この5段階の欲求をビジネスシーンに当てはめることで、社員のモチベーションアップの施策にも活用できるのです。つまり、第一段階から第三段階までは、働きやすい制度の整った職場を提供することで社員の欲求を満たすことができます。清潔で働きやすいオフィスや、労働条件や労働時間など基本的な仕組みを整備することが大切です。

第四段階と第五段階の欲求を満たすためには、部下にタスクを与えて乗り越えさせることや、社員が自分の力を発揮できるような仕事を与えること、自分のキャリアアップを目指せるような教育を行うことなどが挙げられます。

このような段階的な欲求の解消は、従業員の満足度やモチベーションを高め、最終的には企業に対する愛着(エンゲージメント)や忠誠心もアップするので、企業全体の成長へもつながります。

解決 モチベーションを向上させる7つのポイント

では、モチベーションをアップさせるためには具体的にどうすればいいのでしょうか?ここでは7つのポイントを解説します。

●ポイント1:目標設定
目標は、数値や期限を明確に定め、優先順位をきちんと決めることが大切です。そうすることで進むべき方向と次に打つべきアクションが決まります。設定する目標は本人のスキルや希望、描くキャリアに沿ったものを設定するといいでしょう。難易度が高すぎたり、本人の意に添わない目標を設定すると逆にモチベーションが下がります。

●ポイント2:評価基準
目標の達成やそこに至るプロセスを客観的に評価できる仕組みを構築しましょう。上司による印象評価や主観的な評価は社員の不満につながります。定性的・定量的な評価制度の導入と社員への周知につとめましょう。

●ポイント3:キャリア形成
出産や介護などに対するサポートや、スキルの習得へのサポートなど、将来にわたるキャリア形成について、社員が具体像を描けるような体制を整えることも大切です。

●ポイント4:情報共有
組織内で蓄積したノウハウや生産性を高める取り組みや情報は、社内で共有しましょう。一部の部署や人に情報が偏ると、個人もチームもパフォーマンスを発揮できません。成果を出せないことで、組織や他者に対して不満を持つことは、モチベーションの低下要因となります。

●ポイント5:業務適正
本人のスキルや性格に合った仕事を与えるようにしましょう。できないこと、やりたくないことを嫌々やらせることは、生産性低下につながります。海外企業は仕事に対するエンゲージメントも高い傾向にあり、その分生産性向上・企業業績拡大に寄与しています。会社や上司が業務への適性を見極めて、適材適所で人材を配置することが求められます。

●ポイント6:インセンティブ
外発的要因であるインセンティブについても、制度を整えておく必要があります。公正な人事評価制度の構築とともに、臨時ボーナスなどの金銭的な誘因を与えることで社員のやる気は向上します。新たな取り組みにチャレンジしたり、新しい分野を学びたくなるような、外部からの働きかけも大切です。

●ポイント7:社会・会社への貢献
仕事や会社の業務内容が利己的であったり、利益追求主義に走らないように、社会との関わり、会社への貢献についても考えましょう。マズローの5段階欲求説でも触れたように、人は社会と関わること、社会に認められることで承認を満たします。利己的な行動や考えだけでは長期的な満足を満たせません。

結論 スマイルとサイバーエージェントの事例

社員のモチベーションを高める施策にはさまざまなものがあります。ここでは面白い取り組みを行っている2社を紹介します。

●株式会社スマイル「スマイル給」
2006年から同社が導入している給与制度。毎月ランダムに同僚を褒める制度で、「即戦力給 0円」「作業スピード超特給 0円」など独自にネーミングを付け、社内に公開します。金銭的な対価はゼロ円ですが、褒められた人は承認欲求が満たされ、他の社員にとっては社員の新たな長所が発見できるなどのメリットがあります。社内の風通しを良くし、コミュニケーション促進にも役立ちます。

●株式会社サイバーエージェント「女性活躍促進制度 macalonパッケージ」
女性が働き続けられる職場環境を作るための8つの制度をパッケージ化したもの。制度名の由来は「ママ(mama)がサイバーエージェント(CA)で長く(long)働く」から来ています。具体的には妊活を支援する制度や子どもの急な発熱へ対応できるような柔軟な出社スタイル、ママ同士の情報交換を推進する社内報の制作など。女性の活躍がカギを握っている現代にあって、時代に即した手厚い制度といえそうです。

New call-to-action