用語集
2021/07/07
SiNCE 編集部

部下とのコミュニケーションを円滑にするための具体的な方策とは?

管理職の皆さんは、組織内で部下や従業員と円滑なコミュニケーションが取れていますか?世代や立場など部下との間にはさまざまなギャップがあります。若手の中にはコミュニケーション下手な人材もいるかもしれませんが、上司であってもコミュニケーションがうまくない人もいるでしょう。この記事では、部下との関係性に悩む管理職の人に向けて、部下と付き合う上でNGな行為や言動、さらにはコミュニケーションを促進させるポイントなどを解説します。

導入 良好なコミュニケーションは組織力を高める

管理職にとって部下の育成は重要な業務の一つです。会社の業績を拡大させるためには社員一人ひとりの成長が不可欠だからです。ただし、人材の育成は難しく、部下とのコミュニケーションに悩む上司は多いものです。

管理職と部下との間には年齢・価値観・立場の違いなど、大きなギャップが横たわっている場合が多いでしょう。ともすれば上司から部下への配慮の欠如がハラスメントにつながり、重大なコンプライアンス違反にもなりかねません。

部下が育てば組織全体のパフォーマンス向上につながり、風通しのよいコミュニケーションが図れれば若年層をはじめ社員の離職率低下にも寄与するはずです。お互いの信頼関係が強固になれば、目標や方向性を共有でき、チーム全体がポジティブなマインドを持てるようになるでしょう。

課題 部下とのコミュニケーションでやってはいけないこととは?

部下との関係が良好な人も、コミュニケーションに不安を覚えている人も、一度自身の振る舞いや言動を振り返ってみるといいでしょう。ここではチェックポイントを6個紹介します。

●話しやすい雰囲気作りをしているか
相談しやすい・話しやすい雰囲気を部下に持ってもらうことが大切です。笑顔や聞き取りやすい声などの態度に加えて、会話のはじめにアイスブレイクになるような話題を振ったりすることも大切です。

●話を聞く姿勢か
自分勝手な意見を押しつけたり、決めつけたりすることはNGです。部下に話をしてもらう際には、しっかりと傾聴して、聞き手にまわることが大切です。頷いたり、復唱するなどの共感的なサインを送ることも重要です。パソコンのモニターを見たままの体勢やキーボードを叩いたりスマホに目を落としたまま話を聞くような姿勢は絶対にNGです。

●褒めたり、ねぎらったりしているか
部下の業務について、頭ごなしに否定したり批判することも避けましょう。どのような些細なタスクであれ、褒めたりねぎらったり、認めてあげることが大切です。上司からの提案は、その後にすべきでしょう。

●相手を問い詰めたりしていないか
たとえ部下がミスをおかしたり、思い違いをしていたりしても、詰問するように詰め寄るのは部下が萎縮するだけなので無意味です。怒鳴ったりするのは論外です。パワハラにつながるような高圧的な態度は慎まなくてはいけません。

●改善点や今後のビジョンを示せたか
部下に改善策を丸投げしたり、今後のアクションやビジョンの道筋を示せないのは上司にとっては致命的です。部下の悩みや不満が鬱積しないように、上司が明確に考えを示しましょう。

●悪口やネガティブなことをいっていないか
仕事・部下・同僚・会社・取引先など、あらゆる対象への悪口やネガティブな表現は、上司の資質を疑われるだけでなく、チーム全体の雰囲気を悪くします。部下がついてこなくなる原因ともなるので気をつけましょう。

解決 部下とのコミュニケーションを成功させる4つのポイント

部下と円滑なコミュニケーションを図るためには次の4点について、特に注意するといいでしょう。

●環境作り
部下が積極的に話をできるような環境を整えることが重要です。話しかけづらい、相談しづらいと思われないようにしましょう。たとえば、話を聞くときはしっかりと正対する、傾聴するなどを意識してみましょう。上司の立場に立つと横柄な態度に出る人もいるので、自身の振る舞いについて今一度振り返ってみましょう。

●接点を持つ
定例の1on1ミーティングをセッティングしたり、チーム内でコミュニケーション促進を図る場を設けるのも有効です。またしっかりと挨拶をしたり、雑談などで話す時間を意識的に作るようにするのも大切です。

●褒める・認める・諭す・導く
部下は褒めたれたり認められたりするとモチベーションが上がります。小さな承認を積み重ねることで部下は成長していきます。また、ミスに対しても叱ったり一方的に持論を押し通すのでなく、しっかりと順序立てて諭し、前向きな目標に向かって導けるようなコミュニケーションを心掛けましょう。

●部下の状況や仕事内容の把握
上司が部下の仕事の状況やスケジュールを把握していると、雑談やミーティングなどの接点を設けやすくなります。また上司が把握しているということを部下に認識させるとことで、部下は業務についての相談をしやすくなります。不安を抱えたまま仕事をさせないためにも、部下の現状はしっかりと把握しておきましょう。

結論 適切な行動・言動・態度によって部下との信頼関係を築く

上司と部下のコミュニケーションは、日本海軍の名将といわれる山本五十六の言葉「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、認め誉めねば人は動かじ」に尽きます。

まずは自分が率先垂範して「やってみせ」、しっかりとした言葉で「言って聞かせ」、その次に部下に「させてみて」、「褒める(認める)」という一連の行動や言動があってはじめて部下やチームが動くのです。

優位な立場にある人間が力で下の者を強引に動かすのは、コンプライアンス的にも道義的にも問題のある行為です。部下に寄り添い、傾聴するというスタンスが部下からの信頼を得るために必須です。態度と行動、言動に注意して、部下との良好なコミュニケーションを成功させましょう。そうすれば、チーム力の強化や人材の定着が実現できるはずです。

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