「バリューチェーン」とは何か?グローバル市場での競争や製造業には欠かせない総括的価値を分析
「バリューチェーン」とは、製品の価値を材料調達や製造、販売、また開発や労務管理など製品に関わるすべての活動による価値の連鎖として捉えた考え方です。製品の価値を総括的に考えることで、競合と比較した場合の自社の強み、弱みを知ることができるでしょう。それを事業戦略に活かし、改善を考えるのが「バリューチェーン」です。
「バリューチェーン」を用いて分析すると、終始一貫した強みを生み出すのに必要な課題を発見しやすくなり、グローバル市場や製造業において競争を有利に運ぶことができます。今回は、そんな「バリューチェーン」についてメリットや分析プロセスを図解します。
目次
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導入 バリューチェーンとは一体何?混同しやすいサプライチェーンと比較しながら解説!
「バリューチェーン」は、Value(価値)+Chain(連鎖)で直訳すると価値の連鎖という意味です。製品の価値は、それを作るまでの様々な活動に価値があり、それらが連鎖をしたものと捉えています。
例えば「オイシックス・ラ・大地」では、食品の安全性と味を重視した宅配を行っています。
そのために、研究開発、調達、インバウンド・ロジスティックス、受発注管理、アウトバウンド・ロジスティックス、マーケティング・販売、アフターセールスサービス、人事管理という8つのバリューチェーンを強化。
多部門の強化により、顧客に「食品の安全」「美味しさ」「買い物を簡単にする」の3つの価値を提供しています。
また、似た言葉に「サプライチェーン」という言葉がありますが、直訳すると供給連鎖です。製品や食品などの原材料から製造、販売までのモノやお金の流れを結びつけて考える考え方です。
比較すると、価値の連鎖が「バリューチェーン」で、モノやお金の流れが「サプライチェーン」といった違いがあります。
課題 バリューチェーン分析のメリットとは何があるの?自社だけではなく競合他社の分析にも有効!
バリューチェーンを分析することで、製品を作る全ての過程が見直せるのがメリットです。
製造工程のどこで高い付加価値が付いているのかを分析できます。
製造業の場合は、材料の購買・調達、製造、物流、販売、アフターサービスのどこが強みで弱みなのか、高い価値を生み出しているところを分析。
そして、他の開発や労務管理などの活動も分析するようにします。
そのことによってコスト削減をする箇所も見つけられるのがメリットと言えるでしょう。競合店と比較して、それぞれの工程の強みや弱みを知ることができます。
また、バリューチェーン分析は競合他社にも実施するのがおすすめです。
競合他社を分析することで、競合の強み、市場、消費者ニーズの動向、今後の戦略についても分析可能です。他社の価値も細かく分析できる点が良く、今後も市場動向にも活かしていくといいでしょう。
解決
バリューチェーン分析の4プロセスとは一体何があるの?
各活動を競合他社と比較しながら分析
バリューチェーン分析では、製造や販売、また開発や労務管理など製品に関わるすべての活動の価値を見るのが特徴です。
その際に、原料の調達から商品を販売するまでの「物の連鎖」と、付加価値が生み出されていく過程の「価値の連鎖」の両面から分析を行います。
そして、分析には以下の4つのプロセスがあります。
プロセス1.自社の活動を全て細かく分類
プロセス2.それぞれの活動のコスト分析
プロセス3.付加価値を生む自社の強み、弱みを分析
プロセス4.VRIO分析
価値、希少性、模倣可能性、組織の4つでそれぞれの活動を分析していきます。
自社の活動を細かな活動に分け、そのそれぞれの価値を他社とも比較しながら分析するのが大きな特徴です。
結論 バリューチェーンによって総括的な価値をより明確にして差別化をしよう!
「バリューチェーン」では、商品やサービスの価値は細かな活動の連鎖で作られているとし、自社の活動を細かく分析できるのがいいでしょう。
他社と比較してどこに自社の価値が高いのか、また弱いのかを知ることができます。
材料調達や製造、販売、また開発や労務管理など製品に関わるすべての活動を見直す機会になります。
また、競合他社も分析することで、これからの市場動向も知ることが可能です。
自社の価値を多方面から見て分析し、他社と比較する方法によって独自の価値をしっかり知れます。
そして、企業全体で価値を生み出すという姿勢が作れることがメリットです。徹底的に顧客に寄り添えるようになり、高い収益を生み出すことも可能となるでしょう。