マーケティング
2025/02/18
一筆 太郎

【プロセスエクセレンス】MarketingOps編自動化の全体像ver.0.1と考え方

株式会社SiNCEは、AIエージェントを活用したプロセスエクセレンスの重要性を認識し、MarketingOpsの自動化に取り組んでいます。本記事では、MarketingOpsの自動化を実現するためのフロー全体像とその考え方を紹介します。具体的には、SaaSインテグレーション、データサイエンス技術、そしてマーケティングノウハウを統合し、効率的かつスケーラブルな成長戦略を構築する方法を解説します。

マーケティングオプスの最適化とプロセスエクセレンス

株式会社SiNCEは、AIエージェントの活用を見据えたプロセスエクセレンスの重要性を感じ、MarketingOpsの自動化に取り組んでいます。ここでは、取り組み中の内容を公開していきたいと思います。




本記事では、MarketingOps(マーケティングオペレーション)の自動化を実現するためのフローの全体像と考え方を説明しようと思います。本フローでは、SaaSインテグレーション、データサイエンス技術、そしてマーケティングノウハウを組み合わせることで、効率的かつスケーラブルにグロースする仕組みを構築します。


 


下記の図はNEWSPICKSの記事で、AIエージェントの登場による社員減少率を表したものです。AI(エージェント)の活用によりマーケティング担当者の70%が削減される可能性があると予測されています。このような状況の中で、マーケティング業務の自動化を推進し、マーケティングオプスの最適化とプロセスエクセレンスを実現することが極めて重要となります。


 


https://newspicks.com/news/11224974/body/?invoker=mail_dd20250203_no_no-id_paid&utm_source=newspicks&utm_medium=mail&utm_campaign=mail_dd20250203_no_no-id_paid

ここまで「社員数は減る」

人のリソースは限りなく少なく、最大効果を生むためのマーケティング基盤の構築を目指す

本フローでは、AIとデータを活用し、マーケティング施策のPDCAサイクルを自動的に回すことで、常に最適化を行いマーケティング効率を高めることを目指します。これにより、成果を出し続ける仕組みを実現し、少ないリソースでも最大の効果を生み出すマーケティング基盤を構築します。


 


さらに、この仕組みは、AIエージェントを活用するための準備としても機能します。将来的には、AIがマーケティング施策の立案・実行・改善を自律的に行い、人の介在を最小限にしながら、より高度なマーケティング戦略を実現することが求められます。本フローの自動化によって、AIエージェントとの連携がスムーズになり、AI主導のマーケティング体制への移行を加速させることができます。


 


本フローは、新規顧客獲得を目的としたマーケティングオペレーションの自動化を実現するためのものです。KGI(重要目標指標)を「売上の向上」と定め、それを達成するためのKPI(主要評価指標)として「サイトへのアクセス数の増加」と「問い合わせ数の増加」を設定しています。


 


マーケティングにおいて、より多くのターゲットにリーチし、関心を持ってもらうことが成果に直結するため、集客施策を最適化することが不可欠です。本フローでは、主に新規顧客獲得を中心に、どのように効率的なマーケティングを行うかを示しています。なお、右側にはLTV(顧客生涯価値)向上のプロセスもありますが、本資料では新規顧客獲得のためのアプローチに焦点を当てています。


 


こちらがVer.0.1の全体フロー図

質の高いWorking Backwardsを早く大量に生成することが最重要

弊社はBtoB領域でデータやAIを活用し、企業のビジネスグロースを支援するサービスを提供しています。クライアントから寄せられるさまざまな課題を解決するプロセスで、実践的な知見や技術が蓄積され、新たなサービス開発の起点となります。また日々、新しいAIの技術やデータサイエンスのトライアンドエラーを繰り返しているので、そうしたものもサービスの種となります。




このサービス化のプロセスには、Amazonが採用しているWorking Backwardsの「最終的な顧客価値から逆算してプロセスを設計する」という考え方を取り入れています。まず 顧客が求める理想的な成果や体験 を定義し、その視点から必要な機能やプロセスを決めていきます。Amazonでは、新しいプロダクトやサービスを開発する際に、最初に「プレスリリースのドラフト」を作成し、顧客にどのような価値を提供するかを明確にしたうえで、開発を進めます。




このWorking Backwardsを自動的に質高く生成することがMarketingOpsの起点であり、最重要だと考えています。

優秀なキーワードをデータサイエンス力を駆使して自動生成する

サービスが確立した後は、ターゲット層に適切にリーチし、興味を持ってもらうための集客施策を展開します。集客を効果的に行う上で、最も重要な要素の一つが「キーワード」の最適化です。キーワードとは、検索ワードやSNSのハッシュタグなどを指し、ターゲットが何を求めているのかを正確に把握し、それに応じた情報を提供することで、集客力が大きく向上します。



このプロセスにはデータサイエンスを活用し、最適なキーワードを自動生成する仕組みを導入することで、より精度の高いターゲティングを実現します。



本記事では個別の具体については深入りしませんが、キーワードの生成はこんなステップで実行します。



・マーケティング戦略の生成:生成AIを用いて、ターゲットユーザーの購入動機や検索意図を分析し、マーケティング戦略を策定します。検索ワードであれば、検索動機となるユーザーシーンを生成AIで大量に生成し、それをキーワード化させます。



・検索キーワードの抽出:AIを活用して、上記の戦略に基づき、ユーザーの検索行動に対応したキーワードを抽出します。キーワードを埋め込みベクトルにした後にクラスタリング。類似度により重複を排除し、商品関連性の高いキーワードを抽出します。ちなみにクラスタリングのクラスタ数は、エルボー法にて決定。



・キーワードの評価:抽出したキーワードを、検索ボリュームや広告単価(CPC)などのデータと照らし合わせ、効果的なキーワードを選定します。




インバウンドマーケティングの効率をAIとSaaS活用で高める

集客の主要手法としてSEO(検索エンジン最適化)、SNS活用、広告運用、PR(広報活動)を組み合わせ、それぞれの施策を自動化することで効率化を図ります。基本的にはインバウンドマーケティングをベースとし、SEOを中心とした顧客獲得を目指しています。




SEOの自動化フローの構築は完成しており、別途詳細は記事化する予定です。ただ、完全自動化ではなく、SEOコンサルがいなくてもSEO最適化のフローがまわる半自動化のような仕組みですが。SEOはキーワード選定がとても重要です。ここをAIで優先度の高いものを自動生成。その後のプロセスをSaaSと生成AI、BPOを使って自動化するフローとなります。


 

SEO自動化のステップ


ステップとしては、



1.BIによる優先キーワードの自動生成



2.Pascalによる改修内容サジェスト



3.生成AIとBPOによるサイト改善の自動化 


 


下記はサンプルデータで作成したBIのイメージですが、ベースは売上との相関性や効果、難易度などからAIでキーワードプライオリティを自動生成します。このキーワードをベースにページがないものはページ作成をし、対象ページがあるものは改修を行います。ただし、弊社のようなBtoBサービスを提供する会社の場合、成約数が少なかったり売上との直接的な因果が作れないことが多々あります。そうした場合は、サービスを起点とした顧客視点でのキーワードを重視します。



SEOツールは各種ありますが、「Pascal」というSaaSを選定しています。データの活用がしやすいのもありますが、サポート力がとても高いのが嬉しいところです。SEOコンサルをつける必要もないくらい優秀なサポート力があると思います。


 


SEOの改善には、原稿やHTMLの修正のほか、ページ表示速度の改善やモバイル表示など様々対応すべきポイントがあります。改善内容については、Pascalが指針を示し、生成AIで作成します。最終的なコーディングについてはLPはV0を使って自動化しますが、WordpressのようなCMSを実際に作業するのはBPOにするのが現状の最適解だと感じています。


 

SNSは発信量を増やすために発信を自動化。コンテンツは人のチカラを使って質の高いものを

SNSは、SEOの一つと捉えています。今、多くの人は何かを検索するときにgoogleのような検索サービスを使うのではなく、YouTubeやXなどを用途によって使い分けています。今後はChatGPTのような生成AIもその代わりになってくると思いますが、まずはYouTubeとXでのSEO価値を高めることを目指します。



コンテンツに関しては、ベースは人が作ります。弊社にはデータサイエンティストやデータ活用の知見が高い人材が多数在籍しており、それぞれが蓄積したノウハウがオリジナルコンテンツとしてSEO価値が高いものになる可能性が非常に高いのがその理由です。また生成AIで作成したコンテンツは平準化する傾向にあり、ユーザーニーズを満たすのが難しいことも影響しています。


 


ベースのコンテンツができたら、SlackにブログURLを入れるだけで生成AI×MakeでX記事を自動投稿する仕組みを構築しています。


 


小山佳祐ブログURLをSlackに投稿→AIがX記事を作成&自動投稿【Make活用】 | Data Driven Knowled…

LP、プレスリリース、ホワイトペーパーは完全自動化を目指す!

これらはWorking Backwardsから自動的に生成される仕組みを構築しています。こちらも詳細は別途にしますが、V0が有効に機能します。



V0(https://v0.dev/)は自然言語によるUI生成が機能として優れていて、例えば「クレジットカード入力フォームを作成して」といった指示を入力するだけで、対応するUIコンポーネントが自動生成されます。この機能を活かして、生成AIを駆使してプロンプトを精緻なものにしていくことで簡単にコーディングまでを完了することが可能となります。


 


ちなみに、V0はReact/Next.jsとの高い互換性があり、生成されたコンポーネントはReactやNext.jsプロジェクトに簡単に統合できて、モダンで一貫性のあるUIが提供されます。


 


以上、簡単ではありますが、MarketingOpsの全体像と考え方になります。まだまだ未完成なので、これから完成に向けて進めていきますので、プロセスを記事化して参ります。


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