【Mac】HomebrewでGitをセットアップしてGitHubと連携する手順
MacでGit開発環境を構築する完全ガイド。HomebrewでGitをインストールし、Apple標準Gitより優先させる設定方法から、SSH鍵を使ったGitHub連携まで詳しく解説します。初心者でも安心して最新Git環境を構築できます。
1 はじめに
プログラミングを始める際に避けて通れないのがGitとGitHubの設定です。特にMacの場合、標準でGitがインストールされていますが、最新機能を使うためにはHomebrewを使った管理がおすすめです。
この記事では、Mac環境でHomebrewを使ってGitをセットアップし、既存のGitHubアカウントと連携する手順を詳しく解説します。
2 Step 1: HomebrewでGitをインストール
まず、HomebrewでGitをインストールします。
brew install gitインストール後、以下のコマンドで確認してみましょう。
which gitおそらく以下のように表示されるはずです。
/usr/bin/gitこれは、まだApple標準のGitが最優先で呼ばれていることを意味します。次のステップで、Homebrewのバージョンを優先するよう設定を変更します。
3 Step 2: HomebrewのGitを優先設定
2-1. Homebrewのインストール場所を確認
brew --prefix通常は /opt/homebrew が返ってきます。これは、Homebrewのバイナリが /opt/homebrew/bin に置かれていることを意味します。
2-2. 使用中のシェルを確認
echo $SHELLmacOS Catalina 以降であればデフォルトは zsh になっているので、ここではzsh の場合を説明します。
2-3. シェル設定ファイルを編集
zshの場合、~/.zshrc を編集します。
open -e ~/.zshrcもし “The file /Users/[username]/.zshrc does not exist.” と返ってきた場合は、ホームディレクトリに~/.zshrc がまだ作られていないということです。
その場合は、以下のコマンドを実行して空のファイルを作成してから~/.zshrc をエディタで開いてください。
touch ~/.zshrc
open -e ~/.zshrcエディタが開いたら、以下の行を追記して保存(⌘+S)します。
これでHomebrew のパスを先頭に追加することができます。
export PATH="/opt/homebrew/bin:$PATH"2-4. 設定を反映
追記を反映させるために、ターミナルに戻って以下を実行します。
source ~/.zshrc2-5. 確認
which git以下のように表示されていれば成功です。
/opt/homebrew/bin/git4 Step 3: GitとGitHubの連携設定
ここからは、ローカルのGitとGitHubアカウントを連携する設定を行います。大まかな流れは以下の通りです。
1: Gitユーザー情報の設定
2: SSH鍵の生成と登録
3: 接続テスト
3-1. Gitユーザー情報の設定
GitHubに登録しているメールアドレスと、ユーザー名(厳密には GitHub 上のユーザー名ではなく、コミット時に表示させたい名前)を設定します。ターミナルで以下を実行してください。
# GitHub に登録しているメールアドレスをセット
git config --global user.email "あなたのメールアドレス"
# Git コミット時に表示したい名前(フルネームなど)をセット
git config --global user.name "あなたの名前"
-global オプションを付けると、以降すべてのリポジトリで共通の設定になります。
設定が正しく反映されたか確認します。user.email=あなたのメールアドレス、user.name=あなたの名前の行が表示されれば OK です。
git config --global --list3-2. SSH鍵の生成
GitHub と安全にやり取りする方法として SSH 鍵認証があります。まだローカルに SSH 鍵を作成していない場合は、以下の手順で新しく生成し、GitHub 側に公開鍵を登録します。
鍵の生成
ターミナルで次のコマンドを実行します。
ssh-keygen -t ed25519 -C "あなたのメールアドレス"t ed25519は鍵のタイプ(最近の GitHub では ed25519 を推奨)。古い環境や互換性が必要ならt rsa -b 4096でも可。Cオプションでコメント(通常は自分のメールアドレス)を付けておくと、あとで鍵を識別しやすくなります。
これを実行すると以下が返ってくると思います。
Enter file in which to save the key (/Users/username/.ssh/id_ed25519):ここでは「生成した秘密鍵(private key)をどこに、どの名前で保存するか」を指定します。末尾にある /Users/username/.ssh/id_ed25519 がデフォルトのファイルパスです。
デフォルトでよい場合:何も入力せずに Enterキー を押す
→ 鍵は ~/.ssh/id_ed25519 (ユーザーホーム直下の .ssh フォルダ内)に保存されます。
別の名前・場所にしたい場合:たとえば複数の鍵を使い分けているときなどは、/Users/username/.ssh/mykey_ed25519 など、自分がわかりやすい任意のパスを入力して Enterキー を押します。
今回は、デフォルトのままにします。
さらに、以下のようにパスフレーズの設定を求められると思います。
Enter passphrase (empty for no passphrase): [パスフレーズを入力 or Enter]
Enter same passphrase again: [同じパスフレーズを入力]何も入力せず Enter するとパスフレーズなしで生成されますが、安全性を高めるには文字列を設定することをおすすめします。
これで設定した場所に鍵ペアが作成されます(デフォルトの場合は ~/.ssh/id_ed25519 と ~/.ssh/id_ed25519.pub)。
公開鍵の内容をコピー
次のコマンドで公開鍵(*.pub)の中身をクリップボードにコピーします。
pbcopy < ~/.ssh/id_ed25519.pub3-3. GitHubに公開鍵を登録
- GitHub にブラウザでログイン
- 右上のプロフィール写真をクリック → Settings
- 左サイドバーで SSH and GPG keys を選択
- 右上の New SSH key をクリック
- Title に任意の名前(例:「My MacBook Pro」などわかりやすいもの)、Key の欄に先ほどコピーした公開鍵の文字列を貼り付け
- Add SSH key を押して保存
- GitHub 側でパスワードを求められたら、自分のGitHubアカウントのログインパスワード(SSH鍵のパスワードではないことに注意)を入力して確定
これで GitHub アカウント側に対して「この公開鍵を持っているローカルマシンからなら認証を許可する」という設定が完了します。
「SSH and GPG keys」一覧に戻って、先ほど追加したタイトルと公開鍵の先頭数文字が表示されていれば成功です。
3-4. SSH接続テスト
ターミナルに戻って、以下を実行します。
ssh -T git@github.com初回は以下の警告が表示されるので、yes と入力します。
The authenticity of host 'github.com (140.82.114.4)' can't be established.
ED25519 key fingerprint is SHA256:...
Are you sure you want to continue connecting (yes/no/[fingerprint])?以下のメッセージが表示されれば成功です!
Hi [username]! You've successfully authenticated, but GitHub does not provide shell access.5 まとめ
この記事では、Mac環境でのGit環境構築について以下の内容を解説しました。
1: HomebrewによるGitのインストールと優先設定
2: Gitユーザー情報の設定
3: SSH鍵の生成とGitHubへの登録
これで、最新のGitを使いつつ、安全で便利なGitHub連携が可能になります。開発環境の基盤として、ぜひ活用してください。
