AI
2025/10/22
森田 和登

Databricks One (public preview) を試してみた

2025年9月リリースのDatabricks Oneパブリックプレビューを実際に試してみました。ビジネスユーザーが技術知識なしにダッシュボードやGenieでデータ分析できる新UIで、追加ライセンス不要、全クラウド対応です。機能・前提条件・使い方を詳しく解説します。

1 はじめに

2025年9月17日、Databricks Oneパブリックプレビューになりました。Databricks Oneはビジネスユーザー向けの新しいUIで、ダッシュボード・Genie・Databricks Appsへのアクセスを1つのホームに集約し、データとAIを“消費者体験”で利用できるようにします。プレビューは AWS / Azure / Google Cloud のすべてのリージョンで提供され、追加ライセンス不要で利用可能です。


この記事では、Databricks Oneのねらいと前提条件を押さえたうえで、実際に触ってみて分かった「何ができるのか」をまとめます。


2 Databricks One の概要

Databricks Oneとは?


Databricks Oneは、ビジネスユーザー向けに設計された新しいUI で、


・ダッシュボードの閲覧・操作


・Genieによる自然言語クエリ


・Databricks Apps


へのアクセスをひとつのホーム画面に集約します。


技術的な概念(クラスター・ノートブック・モデルなど)を意識せずに、データとAIを利用できるのがポイントです。



 


Databricks One が解決する課題


従来、データやAIの恩恵は専門チームに偏りがちでした。


Databricks Oneは「簡潔なUI + Unity Catalog によるガバナンス」で、全社員に向けてデータ利活用を安全に広げることを狙っています。


運用側も “consumer access entitlement” で一括オンボーディングしやすくなります。また、ライセンス追加費用は不要(プラットフォームに含まれる)という位置づけです。




ターゲットユーザー


・経営・現場の意思決定者


・ビジネス部門でデータを見たい社員



3 使用のための前提条件

必要な権限


1. Consumer accessのみ付与されたユーザー


 → Databricks OneのUIだけにアクセスできる。


 ※ Consumer accessは“ビジネス利用者向けの読み取り中心”の権限です。


 


 


2. Workspace access または Databricks SQL access があるユーザー



 → アプリスイッチャーで従来のLakehouse UIとOneを切替可能。



 


 ※ OneからGenieを使うためには、別途Genieを使用するための権限が必要です。


・Consumer access もしくは Databricks SQL access


・Genieスペース既定のSQLウェアハウスの CAN USE 権限


・参照する Unity Catalog データオブジェクトへの SELECT 権限



データガバナンス


・Unity Catalog ベースのアクセス制御がそのまま効く


・行・列レベルのセキュリティ(RLS/CLS)が適用される



対応クラウド・リージョン


・AWS / Azure / Google Cloud のすべてのクラウド・すべてのリージョンでパブリックプレビューが提供されています。



コスト


・Databricks One自体の追加ライセンス費用は不要です。


・ただし、裏側で動くコンピュートは従量課金されます。


  ・ダッシュボードやGenieはSQLウェアハウスを使ってクエリを実行


  ・Databricks Appsは起動中のプロビジョンド容量に応じて課金


 


有効化手順(Workspace管理者)


1. Workspaceの画面右上からPreviewsページを開く


2. Databricks Oneを検索


3. トグルをONにする(デフォルトでONになっているかもしれません)




4 主要な機能

Databricks Oneの開き方


a. 従来の”Lakehouse UI”から開く方法


 → 画面右上の ⋮⋮⋮ から選択可能



 


b. URLから直接開く方法


 → https://<workspace>/one?o=<workspace_id> で開くことができます。



 


Search 機能


・workspaceにあるダッシュボード、Genieスペース(将来的にはDatabricksアプリも)を探すことができるシンプルな検索機能



 


・添付画像のように、検索ワードに関連するものが表示され、



 


・クリックすると別タブで開く。



(この「小売データ分析」は、サンプルデータを用いて作成したデモのGenieスペースです。)



 


Ask


・選んだGenieスペースに接続して自然言語で質問できる



 


・質問を入力すると、Genieスペースの画面に自動的に遷移する



(この「小売データ分析」は、サンプルデータを用いて作成したデモのGenieスペースです。)



Dashboards / Genie spaces / Apps ショートカット


・資産ごとに探索できるショートカットも用意されている。



(Appsは、現状は対象外です。検索やショートカットからのアクセスはできません。)


 


・クリックすると、一覧が表示される(画像はダッシュボードの場合)。



(ダッシュボード名やサムネイルをマスクしています。)


5 今後のアップデート方針

公開ブログには、


・ドメイン(業務領域)での整理


・キュレーション強化


・アカウント横断のOne


・カスタムURL(例:https://acme.databricks.com/one


などが次に来るものとして挙がっています。


 


詳細は、以下を参照して下さい。




6 おわりに

Databricks Oneは、データ民主化の理想に大きく近づく製品だと感じました。


この記事で紹介した要点をまとめます。


・ターゲット: ビジネスユーザー向けに設計された新しいUI


・アクセス: Consumer accessで読み取り中心の利用が可能、追加ライセンス不要


・主要機能: シンプルな検索、Genieでの自然言語質問、ダッシュボード・Apps へのショートカット


・ガバナンス: Unity Catalogベースのアクセス制御がそのまま効く


・展開: AWS / Azure / Google Cloud すべてのリージョンで利用可能


 


特に印象的だったのは、技術的な概念を意識せずにデータへアクセスできるという徹底したユーザー体験の設計です。クラスターもノートブックも知らなくていいという点はデータ活用の裾野を広げる上で大きな意味を持ちます。


一方で、現時点ではAppsが検索対象外であったり、まだパブリックプレビューという位置づけです。今後のアップデートで、ドメイン整理やキュレーション強化、カスタムURLなどが予定されており、さらなる進化が期待できます。


もしあなたの組織で「データをもっと多くの人に使ってもらいたい」と考えているなら、Databricks Oneは試してみる価値のあるソリューションです。設定も簡単なので、まずは小さく始めてみてはいかがでしょうか。


7 参考

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