AI
2024/12/20
古川 直輝

Difyを使ってStreamlit上で簡単にチャットボットを構築する方法

本記事では、Difyとは何か、Streamlitの特徴、そしてこの2つを組み合わせることでどのように効率的にチャットボットを構築できるかを紹介していきます。

はじめに

近年、AI技術の進展により、チャットボットやAIアプリケーションの需要はますます高まっています。これらのツールは、ビジネスの顧客対応や情報提供、業務の効率化など、さまざまな場面で活用されています。とはいえ、AIシステムの開発には一般的に高度なプログラミングスキルや技術知識が必要です。しかし、最近登場したツールによって、その壁が大きく下がりつつあります。今回紹介するDifyとStreamlitは、こうしたAIの構築や展開を誰でも手軽に実現できるようにするプラットフォームです。本記事では、Difyとは何か、Streamlitの特徴、そしてこの2つを組み合わせることでどのように効率的にチャットボットを構築できるかを紹介していきます。

Difyとは

Difyは、ユーザーがコーディングスキルに関係なくAIアプリケーションやチャットボットを構築できるプラットフォームです。特に、ノーコードやローコードでAIを組み込めるため、開発者から一般ユーザーまで幅広い層に支持されています。Difyは、自然言語処理(NLP)を活用し、AIによるインタラクティブな会話機能を簡単に設定できるため、ビジネスのカスタマーサポートや情報提供など、多岐にわたる用途に適しています。直感的なUIを備えており、モデルの学習や設定、パフォーマンスのモニタリングを手軽に行える点が魅力です。

Streamlitとは

Streamlitは、Pythonでシンプルかつ美しいウェブアプリケーションを素早く作成できるオープンソースのフレームワークです。特にデータサイエンティストやAI開発者にとって、データを視覚化し、分析結果を他者に共有するためのWebアプリケーションを容易に構築できるというメリットがあります。コードを数行書くだけで、複雑なインターフェースを作成し、リアルタイムでデータを操作できるため、プロトタイプやPoC(Proof of Concept)の構築に適しています。Streamlitは直感的でインタラクティブなコンポーネントを提供しており、ユーザーが即座に結果を確認しながらアプリを改良することができます。

実装方法

Difyのスタジオの「サイトに埋め込む」とクリックしてください。




表示されたHTMLコードをアプリ内に貼り付けることで簡単に実装できます。今回は一番左のものを使いましょう。


 


以下はアプリケーションのコードです。



from dotenv import load_dotenv
import os
import streamlit as st
import streamlit.components.v1 as stc

load_dotenv(".env")
SRC = os.getenv("SRC")

st.title("チャットボット")
html_code = f"""
<iframe
src="{SRC}"
style="width: 100%; height: 100%; min-height: 700px; max_width: 800px;"
frameborder="0"
allow="microphone">
</iframe>
"""

stc.html(html_code, height=800)

実行結果

ターミナルで以下のコマンドを入力してください。(app.pyはファイル名)



streamlit run app.py


以下のようにDifyのチャット画面が出ていれば成功です。


今後の課題

Streamlit上にDifyのチャットボットを組み込んで構築する際に考えられるデメリットを挙げます。



  • Streamlitはセッション状態を簡易的にサポートしているが、複雑な会話履歴管理やユーザー単位でのパーソナルなコンテキスト維持は工夫が必要。

  • 複数ユーザー同時アクセスやマルチユーザー環境での安定動作を確保するには追加のバックエンド実装(データベース、キャッシュサーバなど)が必要。

  • UI/UXの自由度の低さ

  • Streamlitは簡易開発向けのフレームワークであり、大規模な本番運用環境や大量同時接続を前提としたアーキテクチャではない。


おわりに

DifyとStreamlitを組み合わせることで、コーディング経験が豊富でなくても、効果的なチャットボットを構築し、Webアプリケーションとして展開できます。Difyは強力なNLP機能を提供し、Streamlitはアプリケーション作成を迅速に行えるため、この2つを連携させることによって、スピーディかつ魅力的なAIソリューションを実現できます。特に顧客体験の向上や業務効率化を図るための手段として、Difyを用いたAIチャットボットはビジネスや個人プロジェクトにおいて非常に有用です。これを機に、DifyとStreamlitを活用し、自分だけのAIプロジェクトを作り上げてみてはいかがでしょうか。

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