Looker Studioでデータのばらつきを可視化!箱ひげ図の作成方法【完全ガイド】
Looker Studioで箱ひげ図を作成し、平均だけでは見えないデータのばらつきや分布を可視化する方法を解説します。五数要約の設定からPERCENTILE関数による四分位数の計算、対数目盛の活用まで、手順を追って学びましょう。
目次
1 はじめに
データの分析において、平均値だけを見て判断していませんか?例えば、複数の店舗の売上データを比較する際、平均売上は同じでも、その内訳であるデータの散らばり具合が全く異なる、ということはよくあります。こうしたデータのばらつきにこそ、ビジネス改善のヒントや重要な洞察が隠されているのです。
このようなデータのばらつきや分布を直感的に把握するのに、非常に強力なグラフの1つが「箱ひげ図」です。箱ひげ図を使えば、データの最小値、最大値、中央値、そして四分位数をひと目で捉えることができ、データ全体の姿をより深く理解することができます。
この記事では、この箱ひげ図を作成する手順をゼロから分かりやすく解説します。
2 Step1:グラフの選択とディメンションの設定
まず、グラフメニューから「箱ひげチャート」を選択します。

画面右側にある設定パネルで、グラフを編集していきます。

まず、分析の軸となる「ディメンション」を設定します。今回はカテゴリーごとに購入金額を可視化したいので、ディメンションには「Category」を選択します。

3 Step2:指標の設定(最小値・中央値・最大値)
箱ひげ図は5つの値(最小値、第1四分位数、中央値、第3四分位数、最大値)で構成されます。まずは、Looker Studioの集計機能で簡単に設定できる最小値(MIN)・中央値(MED)・最大値(MAX)を設定しましょう。
箱ひげ図を構成する5つの「指標」を設定します。 まずは、Looker Studioの標準機能で設定できる最小値・中央値・最大値から設定しましょう。指標の1番目、3番目、5番目に、分析したいデータである「Purchased_Amount_Yen」をそれぞれ設定してください。

各指標の左側にある集計方法(デフォルトでは「SUM」)をクリックすると、下記の画像が表示されます。

真ん中にある「集計」を押してください。押すと、集計方法の一覧が表示されると思います。
この集計方法を上から1つ目をMIN(最小値)、3つ目をMED(中央値)、5つ目をMAX(最大値)にしてください。

4 Step3:計算フィールドで四分位数を作成
次に、第1四分位数と第3四分位数を設定します。これらは標準機能にないため、自分で計算式(PERCENTILE関数)を定義する「計算フィールド」を作成する必要があります。
画像の右下の「フィールドを追加」を押し、「計算フィールドを追加」を押してください。

次に、下記の画像のように、「フィールド名」を25パーセンタイル(第1四分位数)だとわかるように、設定し、「数式」をPERCENTILE(列名, 25)にしてください。今回は、購入金額をターゲットにしているので、PERCENTILE(Purchase_Amount_Yen, 25)にしました。その後、右下の保存ボタンを押してください。

ここで、PERCENTILE 関数は何かについて説明します。
PERCENTILE 関数は、データセットにおける指定したパーセンタイル位置の値を計算するための関数です。
PERCENTILE 関数の基本構文は下記のようになっています。
PERCENTILE(列名, パーセンタイル値)
- 列名: 対象となるデータ列(例えば販売金額、点数など)。
- パーセンタイル値: 0から100の範囲の数値で、計算したいパーセンタイルを指定します。例えば、25は第1四分位数(下位25%)、50は中央値(50%)、75は第3四分位数(上位25%)です。
読んでいて、「まずパーセンタイルとは何だ?」と思った人もいるかもしれません。パーセンタイルについても説明します。
パーセンタイルとは、データを昇順に並べたときのデータを並べたときの位置(割合)を示すものです。具体的には、以下のように解釈できます:
- 0パーセンタイル: 最小値(データの最初の値)
- 25パーセンタイル: 下位25%の値(第1四分位数)
- 50パーセンタイル: 中央値(データの中間)
- 75パーセンタイル: 上位25%の値(第3四分位数)
- 100パーセンタイル: 最大値(データの最後の値)
以上がPERCENTILE 関数とパーセンタイルについての説明になります。手順に戻ります。同様に、75パーセンタイルについても作ってもらうと、一番右の「データ」に25パーセンタイル(第1四分位数)と75パーセンタイル(第3四分位数)がつくられると思います。

最後に、ステップ2で空けておいた2番目と4番目の指標に、先ほど作成した第1四分位数(25パーセンタイル)と第3四分位数(75パーセンタイル)をセットします。

これで箱ひげ図は完成です!

5 補足:グラフが潰れて見づらい時の対処法
データのばらつきが非常に大きい場合、下の図のように箱やひげの一部がグラフの下の方に密集し、詳細が読み取れなくなることがあります。

このような場合は、グラフを選択し、右側のパネルから 「スタイル」タブを開きます。下にスクロールし、「左Y軸」の項目にある「対数目盛」 のチェックボックスをオンにしてください。

対数目盛を有効にすると、先ほどは潰れて見えなかった下位のデータも、分布がはっきりと確認できるようになりました。
ただし、一つ注意点があります。対数目盛の軸は等間隔ではないため、値の大きさを直感的に比較するのには向いていません。 例えば、「1,000と2,000の差」と「8,000と9,000の差」はどちらも1,000ですが、グラフ上の間隔は全く異なります。値の比率を基準に表示されていることを理解した上で活用しましょう。

6 おわりに
お疲れ様でした。今回はLooker Studioで箱ひげ図を作成する方法を解説しました。 標準機能にはありませんが、計算フィールドを一度作ってしまえば、様々なディメンションでデータのばらつきを可視化できるようになります。 平均値だけでは見えてこなかったインサイトの発見に、ぜひ箱ひげ図を活用してみてください。
