データマネジメントの課題

DMBOKを見てデータマネジメントを始めてみると、DMBOKのデータマネジメントの原則に対して様々な課題が生じてきます。この記事ではその課題を確認し、対応していく方法をDMBOKから簡単に要約・解説しています。
データの質
データマネジメントを始めると、そのデータの質についての課題が認識できます。質について考えたときに、組織はこれらの課題に直面します。
・データは他の資産と異なる
・データ評価
・データ品質
・より高品質なデータを目指した設計
データは他の資産と異なる
データは普通の資産とは異なり、簡単にコピーできたり、移動が可能であるため、それを含めた管理が必要になります。
このデータ資産特有の性質が課題を生み出します。しかしデータはその組織が自分を知るための手段であり、重要な役割を果たすため、注意深い管理が必要です。
データ評価
価値とはそこから生まれる恩恵との差ですが、データはそれらを計算するすべがありません。
これを解消するために、組織が行わうべき初めのアプローチは、組織内で一貫して適用できる凡用的なコストと恩恵の分類を明確にすることです。
データ評価の主要な課題は、「状況によってデータの価値が異なること」と「時間によってデータの価値が異なること」です。
組織がデータによって一貫した経営判断をしていくには、データ資産に金銭的な価値を結び付ける方法の確率が必要です。これによって、組織がデータの価値を理解し、データに対するアプローチも変化していきます。
データ品質
データが高品質=データが業務に効果的に使えること
これが達成されるには、データ利用者の協力のもとでニーズの特定が必要になります。
データの品質管理にはコストがかかるが、データの品質は業務へ大きな影響を与えるため、コストを支払ってでも、データを改善していくサイクルを確立していくべきです。
より高品質なデータを目指した設計
では、より高品質なデータを得るにはどうすれば良いのでしょうか?
まずはデータから偶然に価値が生まれることはないと、組織が認識することです。
高品質なデータを得る計画においては、アーキテクチャ、モデリング、その他設計に対して、戦略的なアプローチを取る必要があります。
また、より良い計画と組織の圧力の二つのトレードオフを明確にすることでも、より良い意思決定が可能になります。
データ戦略とは?
情報を利用することで競争上の優位性を確保し、企業の目標を達成するための事業計画などが含まれます。
データについて
メタデータとデータマネジメント
メタデータはデータに対するデータであり、これを管理することで、データマネジメントの複雑なシステムを理解できるます。
しかし、メタデータの管理は組織において重要でありながら疎かにされがちです。
データマネジメント全体を改善する第一歩はメタデータを管理することにあります。
多様な種類のデータ
データはそれぞれで違った性質を持ちます。そのため、データに対する最初のアプローチはデータの分類わけとなります。
データマネジメントの組織的な課題
データマネジメントは機能横断的である
データライフサイクルは組織の様々な場所で管理されるため、そのため、データマネジメントには広い分野のスキルが必要が必要になります。
データマネジメントを行うには、組織の中のそれぞれの知識を上手にかけ合わせることが不可欠です。
他の視点を考慮する
データを作成する人は、データがどのように使われ、解釈されるかを見逃しがちです。
データを作成するには、様々な視点を考慮に入れそのリスクについて考慮しなければなりません。
データライフサイクル
データにも他の資産同様のライフサイクルがあります。
データライフサイクルを計画するときには、ニーズと管理の両方の要件を明確にすることが大切です。
またデータのライフサイクルは複雑です。これはライフサイクルだけでなく、リネージ(データが利用される経路)もそこに含まれているからです。これらを理解することはデータ管理を適切にしてくれます。
データとリスク
品質の低いデータは、情報が正しくないというリスクと誤認されるリスクを持ちます。
組織は最高品質のデータから最大の価値を得られます。
規制当局や政府は様々な規制により情報がもつ潜在的なリスクに対応しています。企業はしっかりとデータをリスクとして組み込む必要があります。
データマネジメントとIT
データとITは密接に関係しており、新しいITを使用したいということと、信頼性の高いデータを使用したいということが相反関係にあります。
データに関して何らかの決定をするときには、データがどのような影響を与えるかを考える必要があり、ITが先ではなく事業戦略に沿ってデータ要件を決め、そこからITを決定することが大切です。
効果的なマネジメントにはリーダーシップとコミットメントが必要
組織の従業員のほとんどがデータの価値について理解はしているが、本当に活用できているかいうとそうでない。そのため誰かがリーダーシップを発揮し、本当に活用できる状態に組織全体を引っ張らなければなりません。
まとめ
今回の要約部分は、DMBOKが提供したデータマネジメントの原則を行う際に発生する課題についてでした。データをより良いものにするサイクルの必要性と、それにともなう諸活動の課題点が載っていました。これらの課題に対応することによって、組織はデータマネジメントを維持することが可能になります。