Delta Sharing: データ共有の標準化
企業やチーム間でのデータ共有は、セキュリティと効率性が求められる重要な課題です。Databricksが提供するDelta Sharingは、これを解決するためのオープンプロトコルであり、プラットフォームに依存しない安全かつリアルタイムなデータ共有を可能にします。
本記事では、Delta Sharingを利用してデータを共有する手順を具体的に解説します。Databricksの直感的なUIを用いたプロセスをステップごとに示し、設定後の活用方法についても触れます。
はじめに
企業やチーム間でのデータ共有は、セキュリティと効率性が求められる重要な課題です。Databricksが提供するDelta Sharingは、これを解決するためのオープンプロトコルであり、プラットフォームに依存しない安全かつリアルタイムなデータ共有を可能にします。
本記事では、Delta Sharingを利用してデータを共有する手順を具体的に解説します。Databricksの直感的なUIを用いたプロセスをステップごとに示し、設定後の活用方法についても触れます。
Delta Sharingを用いたデータ共有は、以下の4つのステップで構成されています。
1. 共有を作成
1. 共有を作成
Delta Sharingの第一歩は「共有の作成」です。このステップでは、共有するデータセットの目的や説明を設定します。
Databricksのカタログエクスプローラーにアクセスします。
「共有」タブを開き、「共有を作成」ボタンをクリックします。
以下のように、共有名とコメントを入力します。
- 共有名: 「売上データの共有」
- コメント: 「月次の売上データに関する共有となります。」
作成が完了すると、次のステップに進む準備が整います。
2. データセットを追加
次に、共有するデータセット(テーブルやビュー)を追加します。これにより、受信者は指定されたデータのみを閲覧できます。
- 手順:
- 「データセットを追加」ボタンをクリックします。
- 共有したいDeltaテーブルやビューを選択します。
- 必要に応じて、複数のデータセットを追加します。
データセットを選択すると、それらが共有設定に反映されます。このステップで共有するデータ範囲をしっかり絞り込むことが重要です。
3. ノートブックを追加
共有したデータに関する解説や使用例を含むノートブックを添付することで、受信者がデータの利用方法を容易に理解できるようにします。
- 手順:
- 「ノートブックを追加」タブを選択します。
- 必要なノートブックをアップロードまたは既存のものを選択します。
ノートブックを添付することで、データの意味や使用方法を文書化できます。これにより、データの受信者がスムーズに分析や活用を開始できるようになります。
4. 受信者を追加
最後に、データを共有する受信者を指定します。このステップでは、セキュリティを保ちながらデータアクセスを許可する対象を明確にします。
手順:
1.「受信者を追加」タブを開きます。
2.Databricks内のユーザーやグループを指定します。
3.必要に応じて、アクセス権限(読み取り専用など)を設定します。
Delta Sharingの活用例
設定が完了すると、受信者は指定されたデータセットに安全にアクセスできるようになります。受信者は、Databricks、Pandas、またはHTTPクライアントを使用してデータを取り出すことができます。
Pandasでのデータ取得例
以下は、Delta Sharingを利用してPandasでデータを取得する例です:
import pandas as pd
from delta_sharing import SharingClient
# Delta Sharingサーバーへの接続
client = SharingClient("")
# データを取得
df = pd.read_delta_table(client, "my_share.delta_sharing_example.data_to_share")
print(df.head())
このコードにより、共有リンクを用いてリアルタイムでデータを取得できます。
まとめ
Delta Sharingは、データ共有を効率的かつ安全に行うための強力なツールです。本記事で解説した手順に従えば、共有プロセスを簡単に設定し、受信者とデータを安全にやり取りできます。
主なポイントを振り返ります:
・共有名やコメントを付けて目的を明確に
・必要なデータセットを限定して共有
・ノートブックを活用してデータの背景を提供
・受信者の権限を細かく設定してセキュリティを確保
Delta Sharingを導入し、データ共有の新しい標準を体感してみてください!