AI
2024/12/23
與田 龍人

Tableau Pulseを活用したリアルタイムビジネスインサイトの実践ガイド

現代のビジネス環境では、迅速かつ正確なデータ分析が競争力の鍵となります。Tableau Pulseは、Tableau Cloud上でリアルタイムに重要なビジネス指標を監視し、即座にインサイトを得るための強力なツールです。本ガイドでは、Tableau Pulseの設定から活用方法までを解説します。実際の操作手順に沿って学ぶことで、業務にスムーズに導入できる知識を提供します。

はじめに

現代のビジネス環境では、迅速かつ正確なデータ分析が競争力の鍵となります。Tableau Pulseは、Tableau Cloud上でリアルタイムに重要なビジネス指標を監視し、即座にインサイトを得るための強力なツールです。本ガイドでは、Tableau Pulseの設定から活用方法までを解説します。実際の操作手順に沿って学ぶことで、業務にスムーズに導入できる知識を提供します。

Tableau Pulseとは?

Tableau Pulseは、Tableau Cloudに新たに追加されたリアルタイムメトリクス監視ツールです。ビジネスの重要指標(KPI)をリアルタイムで追跡し、データの変動を即座に把握することで、迅速な意思決定を支援します。AIを活用したインサイト機能により、データから有益な情報を自動的に抽出し、ユーザーに提示します。


主な機能



  • リアルタイム監視:データの変動を即時にキャッチし、ダッシュボード上で表示。

  • カスタマイズ可能なメトリクス:ユーザーが監視したい指標を自由に設定可能。

  • インサイト自動生成:AIがデータを分析し、重要なインサイトを自動的に提供。

  • 柔軟なフィルタリング:複数のフィルターを設定し、詳細なデータ分析が可能。



1. Tableau Pulseの有効化

まず、Tableau Pulseを利用するための基本設定を行います。



  1. Tableau Cloudにログイン

    • 管理者権限を持つアカウントでTableau Cloudにログインします。



  2. Tableau Pulseの有効化

    • 「全般」タブ内の「Tableau Pulse Deployment」セクションを見つけます。

    • 「Turn on Tableau Pulse」にチェックを入れます。



  3. 設定の保存

    • チェックを入れた後、「保存」ボタンをクリックします。

    • メニュー画面に「Tableau Pulse」が表示されることを確認します。




2. メトリクスの作成

次に、監視したいビジネス指標(メトリクス)を設定します。以下の手順でメトリクスを作成しましょう。



  1. Tableau Pulseトップページに移動

    • メニューから「Tableau Pulse」を選択します。



  2. 新規メトリクス定義の作成

    • トップページ内の「New Metric Definition」をクリックします。



  3. データソースの選択

    • 表示されるデータソース一覧から、使用したいデータソースを選び、「Connect」をクリックします。




  4. メトリクスの編集

    • Name: メトリクスの名称を入力します(例:「売上」)。

    • Measure: 指標として使用するフィールドを選択し、適切な集計方法(例:合計、平均)を設定します。

    • Time Dimension: 時系列分析に使用する日付フィールドを選択します(例:「注文日」)。

    • Adjustable Metric Filters: メトリクスをフィルタリング可能なフィールドを選択します。最低1つは設定が必要です(例:「地域」)。




  5. 定義の保存

    • 全ての設定が完了したら、「Save Definition」をクリックしてメトリクスを保存します。




 


3. メトリクスのカスタマイズ

作成したメトリクスをさらにカスタマイズし、ビジネスニーズに合わせて最適化します。


累計値の設定



  • Sparkline表示のカスタマイズ

    • 「Show sparkline values to date as」オプションで、日ごとの値表示か累計値表示かを選択します。

    • 例:累計売上を表示することで、長期的なトレンドを把握しやすくなります。




過去との比較設定



  • 比較対象の選択

    • 「Compared to」セクションで、昨月と昨年のどちらを比較対象とするかを選びます。


    • 並び順を変更することで、メトリクス上部の比較値の表示順や、Breakdown時の質問内容が変わります。




データフィルターの適用



  • 定義フィルターの追加

    • 「Filter」をクリックし、特定の条件に基づいたデータフィルターを設定します。


    • 例:特定の地域や製品カテゴリーに絞って売上を監視します。





カスタム定義の作成



  • 高度な定義の利用

    • 「Definition」を選択すると、Tableau Cloudのワークシート編集画面に似たインターフェースが表示されます。


    • ここで、元データに存在しない計算フィールドを作成し、メトリクスに追加できます。

    • 例:利益率を計算フィールドとして設定し、メトリクスに追加します。

    • 注意: カスタム定義を行うと、累計値の設定が不可となります。






4. インサイトタイプの設定

Tableau Pulseは多様なインサイトを提供しますが、必要に応じて表示・非表示をカスタマイズできます。



  1. インサイトの有効化/無効化

    • 「Insights」タブの「Insight types」を「Turn On」にすると、インサイトが表示されます。


    • 三点リーダーをクリックして、特定のインサイトを非表示に設定できます。




その他メトリクスの探索と分析

設定したメトリクスを用いて、詳細な分析を行います。以下の手順でメトリクスを探索しましょう。



  1. メトリクスのブラウズ

    • 「Browse Metrics」を選択し、一覧から目的のメトリクスをクリックします。



  2. メトリクスカードの選択

    • 表示されたメトリクスカードをクリックすると、詳細情報が表示されます。

    • 例:「月間売上」の現在の値や過去の推移が確認できます。



  3. フィルターの適用

    • 「Adjust」ボタンをクリックし、設定したフィルター(例:「地域」)を調整します。

    • フィルターを変更すると、メトリクスの値もリアルタイムで更新されます。



  4. ブレイクダウンの実行

    • 「Breakdown」ボタンをクリックすると、選択したフィルター単位での詳細な集計グラフが表示されます。

    • 例:地域別の売上推移を視覚化します。



  5. 質問機能の利用

    • メトリクス下部に表示される想定質問ボタンをクリックすると、自動的にインサイトが提供されます。

    • 「Ask」ボタンを使用すると、自由形式で質問を入力できます。入力すると、関連する質問候補が表示されます。



  6. フォロー機能の活用

    • メトリクスの右上にある「Follow」ボタンをクリックすると、トップページにメトリクスが表示されます。

    • フォロー中のメトリクスは、トップページ上部に要約が定期的に更新されて表示されます。




まとめ

Tableau Pulseは、リアルタイムでビジネスの重要指標を監視し、迅速な意思決定を支援する強力なツールです。設定から活用までの手順を理解し、実際のビジネスシナリオに応用することで、データドリブンな戦略を効果的に展開できます。Tableau Pulseを活用して、貴社のビジネスインサイトを一層強化しましょう。

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