Google「Translation Hub」は、WordやPDF、PPT内のテキストをAI自動翻訳する有料サービス
Google「Translation Hub」は、WordやPDF、PPT内のテキストをAI自動翻訳する有料サービス
目次
Googleが発表した新サービスの中からAI/ML情報をピックアップ
昨年10月に開催されたGoogleのイベント「Google Cloud Next ’22」。ここではGoogle Cloudのリージョンにオーストリア、ギリシャ、ノルウェー、南アフリカ、スウェーデンが追加されたことや、C3 Compute Engine仮想マシンにIntel Xeonスケーラブルプロセッサを採用したなど多種多様なGoogle Cloud関連のニュースが発表されましたが、本ブログではこの中からAI/MLに関する発表内容を、噛み砕いてお届けします。
初回のテーマはAI自動翻訳ツール「Translation Hub」。
「Translation Hub」はAI自動翻訳ツール
Translation Hubは、Google Cloud上で動作する「AI自動翻訳ツール」です。
Googleはこれまでも「Google翻訳」というオンラインサービスでテキスト翻訳やWebサイト翻訳といった機械翻訳サービスを無料で提供してきましたが、「Translation Hub」との違いはMicrosoft WordやPowerPoint、PDFなどのファイルを読み込ませ、テキスト属性部分を最大135カ国語へ翻訳。各国語に翻訳されたファイルとしてダウンロードできるというサービスなのです。
作成したプレスリリースやプレゼンテーションといった書類を、一度に135カ国語へ翻訳したバージョンを作れるというわけです。手作業で翻訳を行った際に生じやすい、コピペミスなどとも無縁になります。
翻訳に使われるAIは、これまで「Google翻訳」が行ってきた膨大な翻訳によりトレーニングされたAIだと思うと、その翻訳精度の高さにも期待できます。
基本と上級グレード、それぞれの料金と機能差
利用料金は基本が1ページ当たり0.15ドル、上級が0.5ドル。上級サービスでは、以下の4機能が利用できるため、翻訳精度がさらに高くなるそう。
<上級グレードのみに提供される機能>
・翻訳メモリ(過去に翻訳した文、段落、分節のテキストを保存するデータベース)
・AutoML Translation モデル(カスタムモデル)のサポート
・機械翻訳されたコンテンツのポストエディット(人力による修正)サポート
・機械翻訳品質予測(MTQP)スコア
Google Cloudのアカウントを持っているユーザーであればすぐに利用を開始できるようになっています。
Google Translation Hub
翻訳に対応している言語例
最後に、Translation Hubが対応している言語のうち、主要なものをいくつか紹介させていただきます。
英語
中国語(簡体)
中国語(繁体)
韓国語
ロシア語
フランス語
イタリア語
ドイツ語
アラビア文字
オランダ語
ヒンディー語
ハンガリー語
アイスランド語
インドネシア語
ほか、全135カ国語
もちろん、他言語から日本語への翻訳も可能です。
これだけの言語に対応していれば、文字が読めるほぼ全人類へ情報をお届けできると言っても過言ではないでしょう。