初心者必見!データ分析に求められる5つのスキルを解説

「分析結果を共有したら、『もう知っていることだよ』と言われてしまった。」データ分析を業務で行っている方は、一度経験したことがあるかも知れません。そのような人は、もしかするとデータ分析に求められる5つのスキルを把握していないかも知れません。
そこで今回は、データ分析に求められる5つのスキルを解説していきます。
また、データ分析初心者にオススメの書籍も紹介します。

そもそもデータ分析とは?
まず、データ分析とは「ビジネスの問題や課題を解決するために、データから意味を読み解いて、ビジネスの意思決定に利用すること」を指します。
データ分析は、今まで感覚や経験で行っていた意思決定を過去の情報を活用して、より良い結果を得るために行います。
よくあるデータ分析初学者の勘違いとして、複雑な解析をするために統計学やプログラミングばかり勉強することが挙げられます。
もちろん、データ分析には統計学の知識がある程度求められます。また、Pythonなどの言語でデータ分析用のライブラリーを用いて解析することは、高度なレベルのデータ分析には必要かもしれません。
しかし、データ分析においてそのような側面はあくまで「データを分類、比較するための手段」に過ぎません。
難しい手法で行うデータ分析が、必ずしも依頼者にとって価値のある分析結果になるとは限らないことに注意が必要です。
データ分析に必要な5つのスキル
では価値のあるデータ分析を実施するために必要となるスキルとは何があるのでしょうか?
主に以下の5つのスキルがあります。
1.解決すべき課題を設定するスキル
2.課題を分解するスキル
3.データを収集・分解するスキル
4.データを解析するスキル
5.結果を伝えるスキル
こうして見てみると、データ分析に求められる能力は、多岐に及ぶことが分かりますね。
では詳細を解説していきます。
1.解決すべき課題を設定するスキル
データ分析は、解決すべき課題を設定することから始まります。
解決すべき課題とは、「ビジネスに大きな影響を与えるが、まだ未確定で曖昧な項目」です。
ここでは
・ビジネス背景の理解
・ロジカルシンキング
・仮説思考
・コミュニケーション能力
が求められます。
分析の出発点として、まずは依頼側の現状や分析後の理想を理解する必要があります。そのためには、ビジネス背景の理解やコミュニケーション能力が求められます。
また、依頼者から聞いた理想と現実のギャップとなる項目を考えるには、ロジカルシンキングや仮説思考が必要となります。
2.課題を分解するスキル
解決すべき課題は、例えば「新料金体系での需要を予測する」など、粒度が大きすぎるため、定量化して算出方法などに分解したり引き起こしている原因を深堀する必要があります。
ここでは
・ロジカルシンキング
・仮説思考
が求められます。
解決すべき課題をデータ分析で集計すべき項目になるまで分解する際には、結果に影響する様々な要素を漏れなく重複なく考慮しなければなりません。また、引き起こしている原因を深堀して考える際には、表面には見えていない潜在的な原因を仮説ベースで考える場合があります。
3.データを収集・前処理するスキル
集計するデータの種類を理解して、収集や加工を実施する必要があります。
ここでは
・データリテラシー
・データベース知識
・集計ソフトの利用
・統計学の知識
が求められます。
収集してきたデータはそのまま解析に使えない場合が多々あります。
まずは、収集データが信頼出来るかどうかをチェックする必要が在ります。出どころや記入及び運用状態を把握しなければなりません。
また、いくつかのデータリソースからデータを収集した場合、データ統合も必要です。データ統合とは、データの項目名や入力値の基準がデータリソースごとに異なるので、それらを統一する作業を指します。
そして、データを解析しやすくする様に加工も必要です。具体的には、欠損値に0を入力したり、新たな変数を設定したり、桁数を修正したりすることです。
4.データを解析するスキル
データ解析では、データの分類や集計しながら意味を抽出していきます。
ここでは
・データリテラシー
・集計ソフトの利用
・統計学の知識
・解析手法の知識
・機械学習の知識
が求められます。
データ解析する上で、主に2つの重要な要素があります。
1つはデータを見る視点です。視点は主に4つあり、差異、時系列、相関、分類です。
これらの視点でデータを整理してみると、ビジネス上有意義な意味を見出しやすくなります。
もう1つは解析手法です。こちらは、着眼点ごとに様々な手法が存在します。
例えば、差異の視点で活用出来る解析方法としては、ファネル分析やレート・シェア分析などがあります。
また、近年は機械学習を活用してデータ予測することが実用化されていて、今後機械学習はデータ分析者にとって不可欠になると考えられます。
5.結果を伝えるスキル
データから意味を見出した後は、分析結果を依頼者に伝えます。
ここでは
・レポーティング
・プレゼンテーション
・ロジカルコミュニケーション
が求められます。
分析結果を伝える際に重要なのは、見やすくて納得感のある伝え方になるようにすることです。グラフや図を活用して見やすくしたり、配色やデザインを統一したりしましょう。
また、エグゼクティブサマリーも結果と一緒に提示すると良いでしょう。
エグゼクティブサマリーとは、結果のまとめと打ち手の提案です。
データ分析の目的は「ビジネスの問題や課題を解決するために、データから意味を読み解いて、ビジネスの意思決定に利用すること」であり、打ち手の提案はビジネスの意思決定に役立ちます。
各スキルの習得は難しいものではない!
価値のあるデータ分析に求められるスキルは主に以下の5つです。
1.解決すべき課題を設定するスキル
2.課題を分解するスキル
3.データを収集・分解するスキル
4.データを解析するスキル
5.結果を伝えるスキル
さらに詳細に見ていくと、コミュニケーション能力、ロジカルシンキング、統計知識、レポーティングなど、様々なスキルが求められています。
これがデータ分析が容易ではない理由の一つです。しかし個々のスキルの習得は決して難しいものではないので、どのスキルが今の自分には足りていないのかを分析して、スキルアップしてみてはいかがでしょうか。
データ分析初心者にオススメな書籍
データ分析に必要なスキルを解説しましたが、データ分析に慣れていない方は、一度データ分析の全体像や進め方を学ぶ事が成長の近道になるかもしれません。
そこでデータ分析初心者にオススメな書籍を2つご紹介しますので、興味のある方はぜひ参考にしてください!
1.データの利活用の教科書
20年間データ分析に関わってきた株式会社マクロミルの渋谷智之氏が執筆した書籍です。
データ分析の各ステップごとに必要な知識やスキルを解説していて、網羅的にデータ分析を学ぶ事ができます。
事前知識も特に必要ではないので、初学者がデータ分析の全体像を掴むには最適な本の一つと言えます。
データの利活用の教科書
2.データ分析人材になる。目指すは「ビジネストランスレーター」
こちらは三井住友海上で実際に使用されていた「5D」と呼ばれるデータ分析フレームワークの解説を中心に、データ分析人材育成論へも言及した書籍となっています。
「データ分析はビジネスパーソンの基本スキル」と述べてあるように、文系・理系向け関係なく書かれた本で、こちらも事前知識なしで読むことが可能です。
データ分析の現場を赤裸々に語っているので、データ分析業務に携わっている方は共感してしまうのではないでしょうか。
データ分析人材になる。目指すは「ビジネストランスレーター」