データ分析
2023/01/13
岩井 浩之

【データ分析勉強会#01】SiNCEのマーケティング&分析データの活用法

Data analysis

【データ分析勉強会#01】SiNCEのマーケティング&分析データの活用法

SiNCEの社内向け「データ分析」勉強会とは

SiNCE社内でスタッフ向けに行われている、データ分析に関する勉強会。内容は、一筆社長が社内エンジニアに対して、データ分析やデータの活用について「どうしてデータ分析が必要なのか」「分析されたデータは、どう活用されるのか」といった基礎的な内容です。SiNCEが目的達成のためにデータとどう向き合い、どう活用しているのかを、皆様にもご覧頂ければと思います。

<目次>
・データ分析を始める前にすべき、ビジネス理解
・クライアントが考える「売上」の判断単位を把握する
・なぜマーケティングが必要なのか。なぜデータ分析が求められるのか
・商品を欲しがる人はどんな気持ちで、どんな状態にあるのか
・さまざまなデータの中から、営業先の絞り込みに使った内容
・顧客数が減っているのに売上はキープという違和感。そこに隠された「理由」
・クロスセルやアップセルで”売るべき”商品の探し方

データ分析を始める前にすべきビジネス理解

クライアント様から、データ分析を活用して売上をXXXX万円増やしたいというご相談を頂きました。売上XXXX万円増の内訳は、商品AでXXXX万円、商品BでXXXX万円の売上増を狙っているとのこと。

同社の組織を確認すると、同じ営業部の中でも商品Aを扱っているグループ1と、商品Bを扱っているグループ2など、4つの商品種ごとにグループがあったのです。

ここで注意すべきは、こちらの分析結果をクライアントに伝える際に、「商品Aの売上を増やすには~」と商品種別で説明するのか、それとも「グループ1の売上を増やすには~」と組織別で説明するのとでは、伝える時のストーリーが変わってくるということです。

●クライアントが考える「売上」の判断単位を把握する

このほか、先方がデータをどういう単位で管理しているかによっても、こちらからの伝え方を変えるべきです。たとえば商品Aとグループ1が紐づいたデータになっているかどうかなどを確認すべきなのです。

掲げられた目標は、XXXX万円の売上増。各部署が「誰」に「どの商品を」「いくら売上げ増やすか」というもの。この「誰に」という部分にあたる、売るターゲットをどう見つけ出すかという部分は、マーケティングや営業において大変重要です。そこで弊社では、各グループ別に、営業すべきターゲットを提案させていただきました。

ターゲットは「商品Aを買いたい企業を探す」という曖昧なものではなく、より条件を絞り込んだ方が明確になり、営業効率は高くなりやすいのです。けれども、商品Aを欲しがる客の特性を考えるためには、「他社が販売している商品Aの類似品よりも、商品Aを欲しがる人との違いは何だろう」というように、ターゲットを絞り込む必要があるのです。

なぜマーケティングが必要なのか。なぜデータ分析が求められるのか

この思考を行うためにはまず、商品Aの属性を考えます。どんな人が、どういう気持ちで欲しくなり、どんな時に買いたくなるのかを分解して考えるわけです。

たとえば「メルセデス・ベンツとBMWとではステータスが違う」というのはよく言われます。ベンツは車を所有している喜び。BMWは、走らせた時のフィールを求めて買う人が多いと言われています。

つまり、商品Aを求めている人を絞り込むことが営業成績を上げるキーになるわけです。売上を増やすためには、こうして「商品の魅力」を理解する必要があるんです。

●この商品が欲しい人は、どんな人なのか

商品自体が強ければ、営業が頑張らなくても売れます。たとえばポルシェの場合、すでにブランドイメージが定着しているので、営業が頑張らなくても「ポルシェに乗りたい」と思っている客層は一定以上存在します。だから割引販売をする必要もないですし、営業マンが顧客を回らなくても商品は売れていくんです。

こうした流れで「商品Aのターゲットは誰か」を最初に考えます。ターゲットは商品Aを欲しがる人ですが、欲しいと思う理由は複数あるかもしれません。商品Aが地域に関するものならば、該当地域の企業も購買対象になるわけです。

●商品を欲しがる人はどんな気持ちで、どんな状態にあるのか

今回の案件では、商品を3つの商品グループに分類したほか、それぞれ新規顧客と既存顧客とで分けて考えました。新規と既存とでは、顧客の属性が違うためです。

既存顧客は、すでに同社の商品を購入した経験がある人。それに対して、まだ同社の商品購入の経験がない人を新規顧客と分けて考えます。

過去に商品Bを買ったことがある既存顧客に対しては、商品Aよりも商品Bを営業したほうが成約率が上がります。このように「この商品を買いたい」と考えている新規顧客はどんな状態で、どんな購入衝動があるかを考える必要があります。

また車の例え話になりますが、ポルシェが欲しい人に国産メーカーのスポーツカーを勧めても意味がないわけです。ですから広告を出したいという新規顧客については、その人がどんなモチベーションにあるかということが知りたいんです。

こうして営業すべき客層の属性が絞り込めたら、いよいよデータの出番です。分析したデータを使って、確度の高い営業先を探す段階へ入るわけです。

さまざまなデータの中から、営業先の絞り込みに使った内容

こちらがデータ分析した結果をクライアントへ納品したところ、クライアント様がご注目なされたのは、以下の項目でした。

<データ分析概要>

●新規顧客

商品A:XXX万円を捻出できる企業(分析で深掘り)
商品B:XXX万円を捻出できる企業(分析で深掘り)

●既存顧客

商品A:商品Aのアップセル・クロスセルを狙う
商品B:商品Bと並行して商品Aも提案する

このうち、新規顧客の商品Aで「XXX万円を捻出できる企業」については、より安価な商品もありますが、先ずはXXX万円の商品を買える企業を探したいという考えです。

次に、商品AにXXX万円を支払える会社はどこかと考えます。たとえば広告費なら、一般的には年商の10%を広告予算に充てると言われています。でも年商が3000万円の企業に広告費を300万円出してもらうのは難しいと思うんです。私の肌感覚では、マーケティングに使う予算は売上の5%未満というところが多い印象です。

既存顧客へのマーケティングについては、商品Aの購入経験のある企業に対しては、商品Bを売るよりも、商品Aジャンルの他商品を提案したほうが成約率が高いという考え方です。

顧客数が減っているのに売上はキープという違和感。そこに隠された「理由」

我々が提出したデータの中でクライアント様が一番注目されたのは、過去数年に渡って顧客数が減少しているのに、客単価が上がっていたということ。このデータを「そうなのか」と見過ごすのではなく、立ち止まって「どうして」こうなったかの理由を考えるのが大事なんです。

売上を増やすために必要なことはどんな商売でもほぼ同じで、客数を増やすか客単価を増やすかのどちらかです。両方増えるのが理想ではありますが、現状のデータを見ると、顧客数が減少していたのです。

顧客数の低下を深掘りすると、昨年から既存顧客の継続(購入)率が低下していることに加えて、新規顧客数の獲得率も2年連続で低下していたことがわかりました。でも、客単価が上昇したせいで、売上は下がっていない。そこで客単価上昇の内訳を調べてみたところ、たまたまこの年に高額な特別収入が入ったことにより、トータルの売上高がキープされていたことがわかりました。

ここまでわかったら、次ステップはデータから導かれた結果を使って、顧客数を増やしつつ、客単価を増やすための方法について考えることとなりました。

●クロスセルやアップセルで売るべき商品の探し方

売上を増やすために弊社が提案させていただいたのは、既存顧客に対して勝ち筋商品と非勝ち筋商品を見分けることです。

この企業さんの商品の中で、継続率が高い商品と低い商品。継続率が高い顧客と低い顧客を分析することに致しました。これで、目的の一つである既存顧客の継続率を上げようというのが狙いです。

継続率の高い商品を把握できれば、既存顧客に対してクロスセルやアップセルを行うときにそれらを勧めることができ、継続率がキープされやすくなるわけです。逆に、ある商品の購入者は継続率が低いことがわかれば、その商品を売る際には継続率が低いというリスクを前提に営業活動を行えます。

ECサイトでの販売とは異なり、営業マンが営業して売る商品の場合、クライアントは「誰が」「誰に」「何を」売った時に成約率が高くなるかを知りたいわけです。これをデータから発見したいというのがクライアントの要望なのです。誰が優秀な営業マンなのか。誰が優良顧客なのか。どれが優良商品なのか。MQL(確度の高い見込み客)を知りたがっているのです。

このようにデータを取得・分析すれば、いろんな切り口のデータが取得・参照できるようになります。でも、それぞれのデータが「何に使えるのか」を考えるところからスタートさせる必要があるというわけです。

このように弊社が行うマーケティングは、データ分析の結果を根拠としたものになっていることに加え、各クライアント様のビジネスを理解するところから始めます。データを使ってマーケティング効率を高めたいと考えられていらっしゃる企業様は、どうぞお気軽にお問い合わせ下さい。

New call-to-action