用語集
2022/08/19
有路 慧斗

DAMAとDMBOKとは

DMBOK

近年の急速な組織のデータ需要の高まり同時に、データマネジメントの難しさなどから多くの問題が発生し始めました。DAMAはそのデータマネジメントの一助として、DMBOKというデータマネジメントの知識を体系的にまとめた書籍を執筆しました。この記事では、DMBOKとは何であり、どんなことが書かれているかを簡単に説明します。

DMBOKの役割

近年、組織が成功するためにはデータを管理することが大切であるということが、広く認識されてきました。

それとともにデータを生成し活用する欲求が高まり、新たな問題が発生します。

DAMAはこれらの課題に対処するために設立され、DMBOKというデータマネジメント・プロフェッショナルが利用する正式な参考書を作成しました。

DMBOKはDAMAの以下の使命を達成するために役立ちます。

・機能的ワークフレームの提供

企業がデータ管理をする上での、機能的なワークフレーム(典型)やその中で受け入れられている基本理念や手法などを提供します。

・共通語彙の確立

データマネジメントを語る際の共通の語彙を確立し、基礎として使用できます。

・基本的なリファレンスガイド

データマネジメントの基礎を提供し、認定試験などの参考書として使用できます。

DMBOKの構成DAMAホイール図の詳細

DMBOKはDAMAホイール図の11の知識領域に焦点を当てています。

DMBOKを読むことによって、各知識領域の「どういうものなのか」「ビジネスとどうかかわってくるのか」「それらのツールと技法」といった疑問に対する回答を得ることができます。

それぞれの章は中で以下の構成で説明されます。

 1.イントロダクション

  ・ビジネス上の意義

  ・ゴールと原則

  ・本質的な概念

 2.アクティビティ

 3.ツール

 4.技法

 5.導入ガイドライン

 6.データガバナンスとの関係

 7.評価尺度

DAMAホイール図の詳細

知識領域の部分ではこれらの知識を得ることができます。

1.データガバナンス

企業のニーズから意思決定の確立、データマネジメントの方向性の決定と監視

2.データアーキテクチャ

組織に沿った、データ管理のテンプレートの定義・確立

3.データモデリングとデザイン

データモデルという明確な形式でデータの要件を洗い出し、分析し、表現し、伝達するプロセス

4.データストレージとオペレーション

データの価値の最大化のための、設計やサポートであり、データのライフサイクル(生成から廃棄まで)を通して実行

5.データセキュリティ

データを脅威から保護する意義や方法について

6.データ統合と運用性

組織の内部でデータを管理するプロセス

7.ドキュメントとコンテンツ管理

様々な形式の情報のライフサイクル管理

8.参照データとマスターデータ

もっとも正確で重要なデータをシステムによって、継続的に保守・管理する方法

9.データウェアハウジングとビジネスインテリジェンス

データに価値を持たせるプロセス

10.メタデータ

メタデータとは本体に付随する情報のデータであり、これらはデータを理解するために重要

11.データ品質

組織で使われるデータを評価し、改善するためのプロセス

DMBOKにはそれ以外にも、様々なトピックが書かれている

・データ取扱倫理

・ビッグデータとデータサイエンス

・データマネジメント成熟度アセスメント

・データマネジメント組織と役割期待

・データマネジメントと組織の変革

DAMAによるDMBOKの狙い

組織がデータをどのように管理するかは、組織の目標や規模、文化や重要度によって臨機応変に対応する必要があります。

DAMAはDMBOKによってデータマネジメントをより深く理解し、組織内で議論を活発化させることによって、組織の業務改善の適切な結果をサポートしてくれます。

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