DAMAとDMBOKとは

近年の急速な組織のデータ需要の高まり同時に、データマネジメントの難しさなどから多くの問題が発生し始めました。DAMAはそのデータマネジメントの一助として、DMBOKというデータマネジメントの知識を体系的にまとめた書籍を執筆しました。この記事では、DMBOKとは何であり、どんなことが書かれているかを簡単に説明します。
DMBOKの役割
近年、組織が成功するためにはデータを管理することが大切であるということが、広く認識されてきました。
それとともにデータを生成し活用する欲求が高まり、新たな問題が発生します。
DAMAはこれらの課題に対処するために設立され、DMBOKというデータマネジメント・プロフェッショナルが利用する正式な参考書を作成しました。
DMBOKはDAMAの以下の使命を達成するために役立ちます。
・機能的ワークフレームの提供
企業がデータ管理をする上での、機能的なワークフレーム(典型)やその中で受け入れられている基本理念や手法などを提供します。
・共通語彙の確立
データマネジメントを語る際の共通の語彙を確立し、基礎として使用できます。
・基本的なリファレンスガイド
データマネジメントの基礎を提供し、認定試験などの参考書として使用できます。
DMBOKの構成DAMAホイール図の詳細
DMBOKはDAMAホイール図の11の知識領域に焦点を当てています。
DMBOKを読むことによって、各知識領域の「どういうものなのか」「ビジネスとどうかかわってくるのか」「それらのツールと技法」といった疑問に対する回答を得ることができます。
それぞれの章は中で以下の構成で説明されます。
1.イントロダクション
・ビジネス上の意義
・ゴールと原則
・本質的な概念
2.アクティビティ
3.ツール
4.技法
5.導入ガイドライン
6.データガバナンスとの関係
7.評価尺度

DAMAホイール図の詳細
知識領域の部分ではこれらの知識を得ることができます。
1.データガバナンス
企業のニーズから意思決定の確立、データマネジメントの方向性の決定と監視
2.データアーキテクチャ
組織に沿った、データ管理のテンプレートの定義・確立
3.データモデリングとデザイン
データモデルという明確な形式でデータの要件を洗い出し、分析し、表現し、伝達するプロセス
4.データストレージとオペレーション
データの価値の最大化のための、設計やサポートであり、データのライフサイクル(生成から廃棄まで)を通して実行
5.データセキュリティ
データを脅威から保護する意義や方法について
6.データ統合と運用性
組織の内部でデータを管理するプロセス
7.ドキュメントとコンテンツ管理
様々な形式の情報のライフサイクル管理
8.参照データとマスターデータ
もっとも正確で重要なデータをシステムによって、継続的に保守・管理する方法
9.データウェアハウジングとビジネスインテリジェンス
データに価値を持たせるプロセス
10.メタデータ
メタデータとは本体に付随する情報のデータであり、これらはデータを理解するために重要
11.データ品質
組織で使われるデータを評価し、改善するためのプロセス
DMBOKにはそれ以外にも、様々なトピックが書かれている
・データ取扱倫理
・ビッグデータとデータサイエンス
・データマネジメント成熟度アセスメント
・データマネジメント組織と役割期待
・データマネジメントと組織の変革
DAMAによるDMBOKの狙い
組織がデータをどのように管理するかは、組織の目標や規模、文化や重要度によって臨機応変に対応する必要があります。
DAMAはDMBOKによってデータマネジメントをより深く理解し、組織内で議論を活発化させることによって、組織の業務改善の適切な結果をサポートしてくれます。