システム導入者なら知っておきたいITILとは?
ITIL (Information Technology Infrastructure Library)とは、ITサービスマネジメントの成功事例をまとめた書籍群です。ITサービスマネジメントについて考え方を整理した具体的なテンプレートが作られていておすすめです。システム導入者ならば知っておきたいのがこのITILです。
このITILの最新バージョンは、現在ITILバージョン4となっています。
ITILの構成要素、5つのプロセス図について詳しく図解します。ITILを導入するメリットについてもよく知っておくといいでしょう。
目次
- 動画で図解を⾒る
導入 ITILとは何か?どう読むのか?生まれた背景は?
ITILとはInformation Technology Infrastructure Libraryの略で、ITサービスマネジメントの成功事例をまとめた書籍群です。読み方は、「アイティル」や「アイティーアイエル」と読みます。
最初に1989年にイギリス政府CCTAで公表され、イギリス政府がITサービスや利用のガイドラインとなるものを調査研究して作り上げたものです。ITサービス業界の標準ともなっています。
その後、2007年にバージョン2ができ、バージョン3と続き、バージョン4が2019年にリリースされています。大手企業のIT部門やシステムインテグレータのITシステム運用部門などで広まってきています。
課題 ITILを導入するメリットは?注意点は?
このITILを導入することができれば、ITのビジネス価値を高めることができるのがメリットです。
ITサービスが充実し、顧客満足も高まります。リスク管理の精度も上がるでしょう。
また、ITサービスに対しての可視化した評価が得られるようになるのもメリットです。ITサービスが向上することで、結果的に費用を抑えても顧客を満足させることができるなど、様々なメリットがあるでしょう。
また、注意点としては、ITILが成功していない例も多くあることです。ITIL を導入するには、Process(プロセス)Person(人)Product(ツール)の3つのPを重要視することが大切です。
Process:Person:Productが4:4:2の割合でバランスを保つことが大切となっていて、バランスが崩れれば上手く行かないことも多いでしょう。
解決 ITILの構成要素、5つのプロセスを解説
ITサービスの基本となるITILの構成要素は5つあると言われています。
「サービス・トランジション」「サービス・デザイン」「サービス・オペレーション」「サービス・ストラテジ」「継続的なサービス改善」の5つです。
まず、「サービス・トランジション」とはITサービスの立ち上げや旧サービスからの移行に関する項目です。
「サービス・デザイン」は、ITサービスの設計や変更の際に必要となる情報を収集し、整理する項目です。
これをすることで、ITサービスの品質や費用対効果を考えながら行うことができるものです。 そして、「サービス・オペレーション」は、ITサービスの運用、インシデント管理、イベント管理、要求実現、問題管理、アクセス管理などのプロセス項目を整理したものです。
「サービス・ストラテジ」では、財務管理や需要管理などを整理し、ITサービスの戦略立案に役立てることができるものと言えます。
そして、「継続的なサービス改善」は、ITサービスのフローの見直しをし、継続して改善に取り組み、サービス品質向上に努めるものです。 これらの5つの構成要素について納められているのがITILで、5つのプロセスを大事にする必要があります。
結論 ITILは今もITサービスマネジメント向上のために重要なもの
ITILは1989年に最初に考えられたものですが、今のITサービスマネジメント向上のための教科書的なものです。
これをしっかり学んで導入することで、ゆっくりですがITサービスの向上が目指せます。
そして、ITILを知ることで、適切なツールも使うことができるようになるでしょう。Process(プロセス)Person(人)Product(ツール)の3Pがありますが、ツールを適切に導入して、3Pのバランスよく導入していくことで、ITサービスを向上させていくことが重要と言えます。
システム導入者としては、ITILを学び、自社の状況においてそれぞれ活用していくといいでしょう。
また、そのまま活用できないことも、やはりあります。どのように自社に適用していくのかを考えていく必要もあるでしょう。