ティール組織とは?ヒエラルキー型組織やホラクラシー型組織との違いを解説!

企業にとって昔から組織開発は重要な課題です。今や組織能力とは1つの資産とも考えられ、企業の競争力を生み出す元にもなり得ます。
様々な組織論が語られる中、近年注目されているのが「ティール組織」です。
しかし実例が少ないこともあって、どんな組織であるのか、ヒエラルキー型やホラクラシー型との違いやメリットデメリットがよく分からない方も多いのではないでしょうか?そこで今回はティール組織を概念図の図解と一緒に解説していきます!
目次
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導入 そもそもティール組織とは一体どんな意味?
そもそもティール組織とは何でしょうか? ティ-ル組織とは、社長や上司のみが組織の意思決定をするのではなく、個々の社員が各自意思決定をする組織のことです。 権力が集中しているリーダーが組織に存在せず、現場の社員一人一人が意思決定を行います。
この従来の組織観とは大きくことなるティール組織ですが、広く知られるようになったきっかけは2014年にフレデリック・ラルー氏の著書『Reinventing Organizations』です。
従来の組織モデルで前提とされていた、上司が裁量権を持つという考えとは全く異なりながら、成果を上げる事例が現れて更に注目されるようになりました。 では従来のヒエラルキー型組織・ホラクラシー組織とは具体的にどこがことなるのでしょうか?
課題 ヒエラルキー型組織やホラクラシー型組織との違いとは?
まずヒエラルキー型組織との違いは何でしょうか?
ヒエラルキー型組織とは、意思決定がトップダウンで行われる組織のことです。つまり組織が『階層』(ヒエラルキー)構造になっています。言い換えれば、意思決定権の存在する場所がティール組織と異なります。
つぎにホラクラシー組織でとの違いです。ホラクラシー組織とはブライアン・ロバートソン氏が2007年に提唱した組織理論のことで、意思決定権をチームごとに分散して持たせることでチームが管理されることなく能動的に活動出来る組織のことです。
一見ティール組織との違いが分かりづらいですが、ホラクラシー組織はティール組織の1つという位置づけとなっており概念のレベルが異なります。例えるなら、果物(ティール組織)とリンゴ(ホラクシー組織)という関係に似ています。
解決 ティール組織のメリット・デメリットとは?
ではティール組織のメリット・デメリットとは何があるでしょうか?
メリットは主に2つあります。
①社員が主体性をもって行動する
ティール組織では社員の能力に合わせて裁量権が与えられるので当事者意識が高まります。結果主体性を持って行動するようになります。
②組織が変化に柔軟に対応出来るようになる
近年は技術の進歩・グローバル化により先行きが不透明で将来の予測が困難な状態(VUCA)と言われています。
そんな中現場の社員が裁量権を持って行動することで意思決定から実行まですぐに行えます。
一方でデメリットもあります。
①自己管理が出来ないと組織が機能しない
社員自身で意思決定を行うため、そもそも受け身体質の人や自己管理が出来ない人が多いと組織として機能しなくなります。
②収益やリスクに対して適切な判断が出来ない場合がある
収益の見込みが低かったりリスクが大きいプロジェクトが現場の判断だけで実行される可能性があります。

結論 ティール組織を検討する際にはメリットとデメリットの考慮を!
ティール組織とは従来のマネジメントの常識とは異なり、意思決定権を社員に持たせるフラットな組織のことです。
現場の社員レベルで裁量権があり、社員の主体性が向上して業績向上が期待出来ます。
また現場の判断で意思決定から実行まで行えるので、市場の急激の変化が怒りやすい現在において、一刻を争うような事態に対応出来ます。
しかし社員の多くが自己管理出来ないと組織が機能しなかったり、収益やリスクに対して適切な判断を下せない場合があります。
社員に組織の存在目的を理解してもらったり、自己管理の低い社員へのサポートをすることが上手くいくティール組織には必要になってきます。
ティール組織を導入する際はメリット・デメリット、現在の社風も十分に考慮してみてくだいね!