Looker Explore Assistant構築パート3: フロントエンドのセットアップとExplore Assistantの使用編
前回の記事では、Terraformを使ってBigQueryとVertex AIのGemini Proモデルを連携させる方法を学びました。具体的には、以下の手順を行いました。今回は、フロントエンドのセットアップに進み、実際にExplore Assistantをどのように使うかを解説します。
目次
はじめに
前回のバックエンド編では、Terraformを使ってBigQueryとVertex AIのGemini Proモデルを連携させる方法を学びました。具体的には、以下の手順を行いました:
前回の記事リンク:Looker Explore Assistant構築パート2: バックエンドのセットアップ編
- ・必要なアカウント権限を設定。
- ・Terraformでインフラをデプロイ。
- ・サービスアカウントのキーを作成し、BigQueryにLLMモデルを構築。
- ・サンプルデータをアップロードしてExplore Assistantの動作を確認。
今回は、フロントエンドのセットアップに進み、実際にExplore Assistantをどのように使うかを解説します。
フロントエンドのセットアップ
Explore Assistantを完全に動作させるために、フロントエンド側の設定が必要です。このセクションでは、LookerとBigQueryの接続を行い、自然言語に基づいてLooker Explore URLを生成する手順を説明します。
アカウントへの許可の付与
前提条件としてフロントエンドを設定する際、Looker 管理者の権限が必要になります。これにより、Lookerの設定や拡張機能のデプロイが可能になります。
ステップ1: Lookerでの接続設定
BigQuery接続の作成
- Lookerのナビゲーションバーから「管理」>「接続」に進みます。
- 新しい接続を追加し、接続名を指定します(例:「since_llm」)。
- 接続の設定において、前回バックエンド編で作成したjsonキーをアップロードします。
接続が完了すると、LookerでBigQueryのデータにアクセスできるようになります。
ステップ2: フロントエンド環境のセットアップ
Cloud Shellで拡張機能フォルダへ移動
cd looker-explore-assistant/explore-assistant-extension
.envファイルの作成
- 拡張機能の変数を定義するため、新しい
.env
ファイルを作成します。
LOOKER_MODEL=thelook_japanese_bq
LOOKER_EXPLORE=order_items
VERTEX_BIGQUERY_LOOKER_CONNECTION_NAME=connect_llm
VERTEX_BIGQUERY_MODEL_ID= project_id.explore_assistant.explore_assistant_llm
BIGQUERY_EXAMPLE_PROMPTS_CONNECTION_NAME=connect_llm
BIGQUERY_EXAMPLE_PROMPTS_DATASET_NAME=explore_assistant
npmのセットアップとビルド
- 必要なパッケージをインストールし、拡張機能をビルドします。
npm install
npm run build
bundle.jsファイルの確認
dist
フォルダに生成されたbundle.js
ファイルをLookerのプロジェクトフォルダにアップロードします。
ステップ3: manifest.lkmlの作成とデプロイ
manifest.lkmlの作成
manifest.lkml
をLookerプロジェクトに作成し、以下の内容を追加します。
application: explore_assistant {
label: "Explore Assistant"
file: "bundle.js"
entitlements: {
core_api_methods: ["lookml_model_explore","create_sql_query","run_sql_query","run_query","create_query"]
navigation: yes
use_embeds: yes
use_iframes: yes
new_window: yes
}
}
LookMLの検証とデプロイ
- LookMLのコードを検証し、問題がないことを確認したら、変更をコミットして本番環境にデプロイします。
Explore Assistantの使用
フロントエンドとバックエンドが正常に設定されたら、Explore Assistantを使用して、自然言語でのクエリ生成を試すことができます。
Looker UIでのアクセス
- Lookerのナビゲーションから「Explore Assistant」にアクセスし、自然言語で質問を入力します。
- Explore Assistantは、LLMを活用してLookerのセマンティックモデルに基づく適切なクエリを生成し、結果を表示します。
結果の分析
- 生成されたクエリの結果をLookerのExplore画面で確認し、詳細な分析やダッシュボードに取り込むことができます。
まとめ
今回の記事では、Explore Assistantのフロントエンドをセットアップし、実際にLookerと連携して自然言語によるクエリ生成を行う方法を紹介しました。
バックエンドの設定で構築したインフラを基盤に、フロントエンドでユーザーが簡単にデータを探索できる環境が整いました。次回以降の記事では、Explore Assistantをさらに活用する方法や、具体的なユースケースについても紹介していきます。
引き続き、Explore Assistantを使いこなし、より効率的なデータ分析を目指しましょう。