Looker Query Insights の実装方法について
Looker Query InsightsはExplorerでのクエリに対してインサイトやデータに関する要約を出力する機能です。
この記事では、Looker Query Insights 拡張機能のデプロイ方法と、バックエンドが構築済みの前提でフロントエンドの展開に必要な手順について解説します。Looker Query InsightsではLooker Explorer Assistantで構築したバックエンド環境を活用し、フロントの構築のみで、実装することができます。よって前回構築したバックエンドを使用し、Query Insightsのフロントエンド展開を行います。
目次
はじめに
Looker Query InsightsはExplorerでのクエリに対してインサイトやデータに関する要約を出力する機能です。
この記事では、Looker Query Insights 拡張機能のデプロイ方法と、バックエンドが構築済みの前提でフロントエンドの展開に必要な手順について解説します。Looker Query InsightsではLooker Explorer Assistantで構築したバックエンド環境を活用し、フロントの構築のみで、実装することができます。よって前回構築したバックエンドを使用し、Query Insightsのフロントエンド展開を行います。
Looker Explorer Assistant(バックエンド)の記事
1. LookML統合によるQuery Insightsの初期設定
最初に、Query Insights の LLM(大規模言語モデル)との統合について説明します。適切な LookML モデルが設定されていることを前提に、BigQuery バックエンドを利用してデータの要約を生成する方法に進みます。
開発環境の準備
以下のコマンドで、プロジェクトをローカル環境にクローンします。GitHubのSSH鍵が設定されている場合と、ない場合の2通りのコマンドを紹介します。
# SSH鍵がある場合:
git clone git@github.com:looker-open-source/looker-query-insights.git
# SSH鍵がない場合:
git clone <https://github.com/looker-open-source/looker-query-insights.git>
もしクラウド環境での作業を希望する場合は、Google Cloud Shell を使用して、直接開発環境をセットアップできます。
2. Looker拡張フレームワークのセットアップ
依存パッケージのインストール
次に、Query Insights の拡張機能をセットアップします。query-insights-extension
フォルダーに移動し、以下のコマンドで依存パッケージをインストールします。
cd query-insights-extension
npm install
Nodeのバージョンに注意し、適宜アップデートやバージョン管理を行ってください。
Looker接続の作成
BigQueryに接続するための設定を行います。Lookerに新しい接続を作成し、envファイルにモデルのパスを入れることで、Vertex AIやBigQueryMLモデルへのクエリが可能な状態にします。
VERTEX_BIGQUERY_LOOKER_CONNECTION_NAME=<Lookerで作成したBigQueryプロジェクト接続名>
VERTEX_BIGQUERY_MODEL_ID=<Lookerで使用するGeminiのモデルが入っているパスを指定>
この接続を通じて、予測モデルやデータの取得を行います。必要な環境変数は、env ファイルに設定します。
3. Looker拡張機能のプロジェクト作成
次に、Lookerの管理画面に移動し、新しいLookMLプロジェクトを作成します。以下のコードは、拡張機能のマニフェストファイル manifest.lkml
の例です。
application: query_insights {
label: "Query Insights"
file: "bundle.js"
mount_points: {
dashboard_vis: yes
dashboard_tile: yes
standalone: no
}
entitlements: {
core_api_methods: ["create_sql_query","run_sql_query","run_query","create_query"]
navigation: yes
use_embeds: yes
use_iframes: yes
new_window: yes
local_storage: yes
}
}
この設定により、Lookerのプロジェクトで拡張機能が動作するようになります。
4. 拡張機能の展開とビルド
開発が完了したら、以下の手順でフロントエンドをビルドし、プロダクション環境にデプロイします。
npm run build
ビルド後、生成された bundle.js ファイルをLookerプロジェクトにアップロードし、manifest.lkml ファイルを更新します。
デプロイ後Explorerを開き、ビジュアライゼーションからQueryInSightを使用することができます。
拡張機能は、ローカルまたはリモートサーバーで稼働するように設定されており、プロジェクトが完了したら、本番環境にデプロイし、他のユーザーが使用できるようにします。
まとめ
Looker Query Insights の拡張機能のデプロイ手順と、フロントエンドのセットアップについて解説しました。すでに構築されたバックエンドを活用し、Lookerの強力な分析機能をフロントエンドに統合することで、ユーザーは効率的にデータの要約や洞察を得られるようになります。