AIDMAモデルに顧客ロイヤリティの概念を加えたモデル「AMTULモデル」とは?
AMTUL(アムツール)とは、消費者がサービスや商品を知って発見してから、購入に至る過程について表す購買行動モデルです。AMTULの特徴は、標準的な購買行動モデルAIDMA(アイドマ)に顧客ロイヤリティの概念を加えた点と言えます。
今回は、このAMTULとAIDMAの違いについて図解しながらご紹介していきます。その他にも様々な購買行動モデルの考え方がありますので、それらの違いについても知っておくと便利でしょう。
目次
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導入 「AMTUL」とは?AIDMAに顧客ロイヤリティの概念を重要視!
まずAMTULとは何かですが、AMTUL は、Awareness(認知)→Memory(記憶)→Trial(試用)→Usage(日常利用)→Loyalty(愛用)といった購買行動モデルの頭文字を取ったものです。
またAMTUL の元ともなった標準的なAIDMAは、Attention(注意)→ Interest(関心)→ Desire(欲求)→ Memory(記憶)→ Action(行動)といった考え方の購買行動モデルです。
この2つの違いは、AMTULでは、Usage(日常利用)→Loyalty(愛用)といった点が重要視されている点です。
AMTUL では、Loyalty(愛用)までのプロセスを加えて顧客ロイヤルティを考えた点が評価されています。
課題 AMTULモデルの5ステップとは?AwarenessからLoyaltyをそれぞれご紹介
AMTULモデルの5ステップのAwareness、Memory、Trial、Usage、Loyaltyについてもそれぞれご紹介します。
Awarenessでは、まず商品やサービスを認知してもらいます。そして、次にTrialで試供品などを試してもらい、次にUsageで実際に購入して日常利用してもらいます。そこから、Loyaltyの愛用までを考えたのがAMTULモデルです。
単に購入するだけでなく、日常利用してもらうことを目指す、そのために購入後も消費者と接点や交流を持つことを大切にしています。
継続的に商品やサービスを利用してもらうよう愛用者を増やす、顧客ロイヤルティを高めることを重要視するのがAMTULモデルでの考える方の特徴です。
解決 似た概念を持つAISAS、AISCEASなどとの違いは? AMTULの活用事例は?
AMTULと似た概念を持つモデルはAIDMA以外にもいろいろあります。
AISASはSearch(検索)やShare(共有)が入っているのが特徴で検索して購入し、それを共有するというWeb購買行動モデルを表しています。
またAISCEASは、AISAS にさらにComparison(比較)とExamination(検討)が加えたものです。 そして、AIDEESは、購入する(Experience)の後に、心酔(Enthusiasm)して、他人にシェア(Share)、新たな消費者に認知(Attention)してもらうことを含んでいます。
また、SIPSはParticipate(参加)、Share&Spread(共有・拡散)を重要視しています。 さらにDECAXは、発見してからのEngage(関係構築)を重要視するなど、それぞれに特徴的です。
そして、AMTULの活用事例を挙げると、カイロスマーケティング株式会社の例があります。
企業向けに営業を楽にするツールをサービスしている会社ですが、日常利用を促進するために選任スタッフによるサポートを行っています。
また、愛用してもらうためにユーザー会を実施し、活用事例を互いに話し合い、シェアするように努めている例がいい例です。
結論 AMTULの顧客行動モデルは顧客ロイヤルティを考えた愛用まで捉える点!
様々な顧客行動モデルを考える考え方がありますが、AMTULでは、日常利用から愛用となるまでを考えるのが特徴的です。
顧客が継続して利用してくれる、また愛用してファンになってくれるまでに育つことを考えています。最近注目の顧客ロイヤルティをしっかり考えた捉え方と言えるでしょう。
また、AMTULでは、Awareness(認知)→Memory(記憶)→Trial(試用)→Usage(日常利用)→Loyalty(愛用)といったプロセスの中で、どこで顧客が留まることが多いのかを考えることも重要です。
顧客が留まってしまうところを重点的に分析して改善していくことが大切と言えます。
Loyalty(愛用)の顧客を増やすことを目的にすることで、業績の面でも成功を目指すのがおすすめの方法と言えます。