用語集
2022/11/25
一筆 太郎

「法則性を見出す」統計学から一歩進んだ、「法則性をもとに、今後の業務改善を行う」データ分析

「法則性を見出す」統計学から一歩進んだ、「法則性をもとに、今後の業務改善を行う」データ分析

膨大なデータがあっても、人間の目だけで見つけられる「法則性」には限界がある

「データ分析」とは、膨大なデータの中から、目的に沿った情報を抽出する作業のことを呼びます。

これまでも、バーコードが一般化してからというもの、「どの商品が」「いつ」「何個」「誰に」売れたのかといった、POS情報のようなものは記録されてきました。しかし、これをMicrosoft Excelなどで分析しようとしても、日毎や時間毎といった基準で集計されることはあっても、それ以上の細かい分析は行えずにいました。

データ分析とは、こうして集めたデータをさまざまな角度で分析し、「知りたい」情報を可視化するという作業です。そして、判明した結果は現状把握を行えるほか、未来予測や、次の企業活動の指針を決める参考にもなります。

統計学もデータ分析も「蓄積したデータの中から特徴などを見出す」は同じだが

こうした説明をすると、「統計学をPCにさせているんですか?」という質問が出ることが多いです。統計学も「蓄積したデータの中から特徴などを見出す」という面は似ています。ですがデータ分析では、ここまでの結果をもとに、今後の予測まで行えますし、分析結果をさまざまな切り口から検討できるという特徴も持っています。

たとえば、ある飲食店の売上POSを読み込ませたとしましょう。この時、●月●日は売上が多かったというデータがあったときに、「なぜ多かったのか」を検討できるのもデータ分析の特徴です。

その「なぜ」を解き明かすためには、天候や気候が関係しているかもしれませんし、近所でイベントがあったかもしれません。そのためには、天候情報も読み込ませて複合的に分析できますし、イベントの有無に関するデータも読み込ませることで、データ分析の精度はより高まります。

こうした分析結果を参照することで、店舗が混雑する曜日や時間帯が可視化されるため、アルバイト店員の人数も最適化できるため、人件費を削減できる効果もあります。また、メニューごとの注文数はもちろん、POSに情報が含まれていれば回転率が高いテーブルの位置すら把握できるため、それを活かせば店舗レイアウトの改善も行えるでしょう。こうした「需要予測」については、別項で詳しく説明させていただきます。

現代は店舗ごとのPOS情報はもちろんのこと、天候情報を含むさまざまなデータが記録・公開されているため、こうした「データの根拠となる」要因を一つでも多く盛り込むことができれば、データの精度はどんどん高まっていきます。

せっかく収集・記録しているデータも、人間の手作業で集計しているだけでは、どうしても見落としてしまう法則性があります。しかし、これをデータ分析することによって、企業活動にプラスに働く、有益な情報が潜んでいることは間違いありません。

昨今、あちこちでBI(Business Inteligence)、つまりデータ分析を用いて企業の意思決定に必要な知識や洞察を行うというキーワードを聞くようになりました。現代の企業において、売上などのデータをデジタル化して記録していないところは皆無ですが、そのデータを分析して有効活用できている企業は日々増加傾向にあります。

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