用語集
2021/10/13
SiNCE 編集部

「小売りのサービス化」RaaSとは?背景や導入メリットを解説!

ここ最近、小売業界で広く語られるようになった「RaaS」という言葉をご存じですか?
RaaSとは一言でいうと「小売りのサービス化」です。
顧客に関するデータやITを活用して、他の企業向けのBtoBサービスを提供して新収益を獲得するのが狙いです。
RaaSを理解して上手く活用することで、ビジネスを更に成長させたり、事業拡大をさせたりすることに役立つこともあります!
そこで今回はRaaSが求められる背景、メリットや成功事例を図解を交えて解説していきます。

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導入 なぜ今RaaSが注目されているのか?

RaaSが生まれた背景は主に以下の2つがあります。

1.O2Oやオムニチャンネルの限界 少し前まで、買い物とは店舗に足を運んで商品を購入することでしたが、IT技術やスマートフォンの普及に伴い、ECサイト・月額サービス・オンライン注文などの選択肢が出来ました。

そうした購買活動の多様化に合わせて、インターネット上で顧客を獲得して実店舗へ流す「O2O(Online to Offline)」や顧客の購入体験を向上させるために顧客との接点を作り、オンラインとオフラインの垣根をなくす「オムニチャンネル」といったマーケティング施策や販売戦略が行なわれるようになりました。

しかしながら、多くの企業で活用され始めた結果、差別化が難しくなり思ったような効果が見込めなくなっています。

そんな中、新たなビジネスモデルとしてRaaSが注目されるようになりました。

2.消費行動の変容 買い物の際の支払い方法として現金はもはや唯一の手段ではなくなりました。

クレジットカードはもちろんのこと、近年ではオンライン決済・決済アプリ・付け払いなど非接触型の支払い方法が増加しています。

また、コロナの流行や価値観の変化により人々のライフスタイルはより変容しやすく多様になりました。 これらに柔軟に対応することはビジネスの成長に必要ですが容易ではありません。

そこで、柔軟に対応出来た企業がそのノウハウやシステムを他の小売企業に販売することで、成功体験・サービスを収益化することが考えられるようになりました。

課題 RaaSの定義や特徴とは?

そもそもRaaSとはどのような定義や特徴があるのでしょうか。

RaaS(Retail as a Service)とは日本語で「小売りのサービスと約され、IT技術を活用して他の小売会社へサービスを提供する新たなビジネスモデルです。

従来、小売りに関するシステムは各小売企業がIT企業に依頼して、独自開発することが主流でした。

しかし、RaaSは汎用性があり様々な小売企業で活用できるように開発されており、同様な悩みを抱える小売会社に提供出来るようになっています。

RaaSのサービス範囲は、システムによって様々ですが、顧客似関するデータ分析システムだけではなく、流通・在庫管理などのインフラや役務まで対象としたRaaSもあります。

解決 RaaSを導入することのメリットとは?

ではRaaSを導入することにはどのようなメリットがあるのでしょうか? RaaSのメリットは主に2つあります。

1.低い導入リスクで新しい技術を活用出来る 従来、大規模なデータ分析やAIを活用したシステムを開発・運用するには大きなコスト・時間がかかり導入リスクが大きく、中小企業では導入に踏み切ることが出来ませんでした。

しかしRaaSによって、成功事例・実績があるシステムを活用できるようになります。 結果として、競争力の強化や小売業界のDX化が促進されます。

2.状況に合わせたサービス活用が出来る 変化の激しいビジネスにおいて、好きなときにサービスを変更・削減出来ることは大きなメリットです。

RaaSは利用料金を払いサービスを使用するので、サービスが不要になったのちに維持コストがかかったり設備売却に困ったりすることはありません。

結論 RaaSの成功事例をご紹介!

では、RaaSの成功事例としてはどのようなものがあるのでしょうか?

D2C向けの体験店舗サービス 流通を介さず顧客へ直接販売を行なうD2Cではオンラインで販売を行なうことが主流になっていますが、マーケティングの観点から顧客の声を聞いたり製品を体験してもらうための実店舗の需要が高まっています。

しかしコストの観点からなかなかD2Cの企業が実店舗を持つのが難しいのが現状です。 そこである企業は、移動可能で小型の期間限定店舗をRaaSとして提供しました。

このサービスには、顧客の感情や行動をデータ分析してマーケティングに活用することも可能になっています。

これによって実店舗の導入リスクが解消されるだけではなく、顧客との接点増加やマーケティングデータ分析が可能となるため、D2C企業から多くの関心・注目が集められています。

このように、小売業の新たなビジネスモデルであるRaaSは、テクノロジーを活用したサービスの導入リスクを低下させるだけではなく、データに基づくマーケティングやDX化など小売業全体に大きな影響を与えるものになっています。

もしも小売に関して課題を抱えているのであれば、RaaSを活用してみることを検討してみてはいかがでしょうか?

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