データの見える化ってどういうこと?
データの見える化と聞いて思い浮かぶのが、システムやネットワークの構成図ではないでしょうか?家を設計する際の建築図面みたいなイメージの平面図です。しかし、今回取り上げる”データの見える化”は、少し、意味合いが違います。今まで、データを見える化することの目的は、受注・売り上げやイベント等の開始前の予測数に対する実数を集計し、比較する目的でグラフで表されることが多かったものですが、ビッグデータの活用を期に、予想と結果だけでなく、リアルタイムの状況を表示し、その時々の状況に併せて、対応を変える必要が出てきました。また、昨年からのコロナ禍においては、ウイルス感染防止を目的に、在宅での業務をする中で、生産性向上を目的に、従業員の勤務状況も見える化する必要性が出てきましたので、そんなデータの見える化のポイントを図解してみました。
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導入 データを見える化する理由とそのメリットとは?
まずは、データ可視化とは、数値データだけでは確認しにくい現象や事象を、グラフ・図・表などの目に見える形で表現することです。データの見える化のわかりやすい例をお話しします。自動車製造を行う工場では、毎月の生産目標に基づき、毎週および毎日の生産台数が示されます。
では、その日の目標数をクリアするためにはどんなことを把握する必要があるでしょうか? それは、リアルタイムでの生産完了数の各ラインに設置された”アンドン”(リアルタイムで予実がわかるデジタル掲示板)を通して、製造ラインにいる技術者へ伝達されます。もし、この仕組みがなかったら、どのようにして現在の生産数を把握することができるのでしょうか?
おそらく、翌日の朝に、当日の生産実績が集計され、そこで初めて、製造遅延の有無が確認できることになります。結果として数台の誤差の範囲での差であれば、挽回もできるかもしれませんが、もし、数十台の遅延があった場合には、いくら残業しても生産が追い付かなくなり、お客様への完成車の引き渡し日を変更するだけでなく、お客様からの信頼を失うことにもなりますし、残業した分のコストが増えることにもなります。
つまり、データを見える化するということは、その時々の生産状況を把握し、遅延が発生している場合は、その対策をその場で検討することができ、余分な経費を抑えることができる事に繋がり、管理者にとってはなくてはならない仕組みといえます。
課題 企業で使われるデータ分析(BI)ツールとは?
企業で保有するデータを見える化する際、BIツール(ビジネスインテリジェンスツール)が使われます。
BIツールの代表的なものは以下の通りです:
1)Looker (Looker Data Sciences, Inc.)
リアルタイムのビジネス分析を簡単に探索、分析、共有できるBIソフトウエア
2)Tabreau(TABLEAU SOFTWARE, LLC, )
ビジュアル分析プラットフォーム
3)Power BI(Microsoft, Inc.)
セルフサービスとエンタープライズのBI でデータをビジュアル化する統合プラットフォーム
4)Domo (Domo, Inc.)
すべてのシステムをDomoに接続し、統合することで、実用的なインサイトを即座に入手
5)QlikSence(QlikTech International,AB)
Qlik から Tableau、PowerBI等のあらゆる分析環境にリアルタイムで分析可能なデータを提供するデータ
統合プラットフォーム
解決 データ活用するための見える化のポイントとは?
データを見える化する理由とそのメリットはお分かり頂けたと思いますが、では、データを可視化するポイントは、例え、前項でご紹介したBIツールを使ったとしても、自分自身でアウトプットイメージを持たない限り、意味のある資料とはいえません。
では、説得力のある資料作成のポイントは以下の通りです。
ポイント:
誰のための資料か?、何をするための資料なのか?を明確にする
どんなデータをどういう目的で可視化するかは、最終需要者のニーズに応じて決めます。資料を読む人の目的が分からない状態で可視化を行っても、必要な情報を提供することはできません。読み手が一番興味を持っていることを念頭に、データを収集・分析することが大切です。
会社の経営者が常に見たい情報は以下の通りです。
1)会社全体での経費消化状況
2)営業部門での販売実績、売れ筋商品、予実
3)工場での生産実績と予実
4)総務・購買部門での購入/コストダウン実績
5)人事部門での人件費実績と予実
結論 データを可視化して、経営改善に繋げよう
データ可視化は、数値のままでは掴みにくい現象や事象を、グラフ・図・表などで表現することで、以下の3つの効果が期待できます。
1)意思決定の迅速化
2)属人的スキルへの依存を解消
3)新たなニーズの発見
また、BIツールを使用する事で、今まで、表計算ソフト等で属人的に分析していた作業も自動化する事ができ、常に、一定のルールで設定されたアウトプットが出力されます。企業規模が拡大し、経営者が様々な角度から判断をしなければならない場合には、属人的な主観を排除できるBIツールの導入を検討する事が賢明です。特に、Looker Data Sciences社のLookerはエンタープライズレベルのセキュリティのあるBIが短期間で導入できることが、注目されています。