用語集
2021/07/07
SiNCE 編集部

4P分析は役に立つ?注意点や成功事例を解説

コンサルティング会社の担当者に「4P分析しました」と資料を見せられるケースがあります。マーケティング手法にはさまざまなものがありますが、4P分析もその一つ。4P分析によって、自社の商品やサービスを顧客に訴求するための具体的な施策を立案します。漠然と4P分析という言葉を知っている人やコンサルに資料を見せられてなんとなくわかったように感じている担当者もいるかもしれません。この記事では、そもそも4P分析とは何か、ビジネスに取り入れる際の注意点や4P分析を活用して成功した事例なども紹介します。

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導入 4P分析の概要と目的

4P分析とは、マーケティング施策を立てる際に使えるフレームワークです。

4Pとは、Product(製品)、Price(値段)、Place(流通)、Promotion(プロモーション)の頭文字を取ったもので、別名「マーケティングミックス」とも呼ばれます。1960年にマーケティング学者のエドモンド・ジェローム・マッカーシーが提唱した概念です。

マーケティング戦略は、一般的に、①市場環境分析(市場・自社・競合を分析)、②マーケティング戦略立案(顧客や市場を細分化して、ターゲットを特定。自社のポジショニングを見極めて顧客に訴求する方策を考える)、③マーケティング施策立案(ターゲットに対してどのようにアプローチするか具体策を立てる)の順番で行われます。

4P分析は、③のマーケティング施策立案時に使われる手法で、「誰に何をいくらで、どうやって売るか」を具体的に決めるための手法です。

課題 4つのPとは具体的にどういうことか?

Product(製品)、Price(値段)、Place(流通)、Promotion(プロモーション)の4Cについて細かく解説していきましょう。

●Product(製品)
自社が提供している製品やサービスです。要素としては、商品名、価格、デザイン、機能・品質、コンセプトなどさまざまです。その商品がどのように利益を生み出すのか、顧客に提供する価値なども分析します。

●Price(値段)
製品・サービスの販売価格です。設定する価格によってどのようなターゲットに訴求するのかが決まります。顧客が納得して購入してくれる適正価格か、製品・サービスが提供する価値と価格はつり合っているか、コストに見合った利益を生み出す価格か、などを総合的に分析して価格を設定します。

●Place(流通)
製品・サービスを市場に流通させるための販売方法や経路、販売店などを決めます。スーパー、コンビニ、百貨店、専門店などの実店舗に加えて、オンラインショップなども主要な販売経路となります。商品の特性やターゲット特性に合わせた販売方法を検討します。

●Promotion(プロモーション)
製品・サービスの認知向上や購買につなげるための宣伝戦略です。広告、広報、販促などさまざまな手法があります。広告も、テレビCMや紙媒体に加えてネット広告やインフルエンサーを使った手法など多種多様です。

解決 STP分析や3C分析と組み合わせて活用する

4P分析を取り入れる際には、STP分析や3C分析など他の分析手法を組み合わせて、大局的な分析を心掛ける必要があります。

STPとは、「Segmentation(セグメンテーション)」「Targeting(ターゲティング)」「Position(ポジショニング)」の頭文字を取ったものです。

セグメンテーションで市場の全体像を把握し、ターゲティングで狙う顧客層を規定、ポジショニングで他社に比べた優位性を明確化させる手法です。

3Cは「Customer(市場・顧客)」「Competitor(競合他社)」「Company(自社)」の頭文字をとったもので、自社の内部要因(強み・弱み)と外部要因(市場・顧客)の両面を分析することで、成功要因を明確にする手法です。

STP分析や3C分析を行い自社の経営状態を正確に把握して、その分析を元に4P分析を行いマーケティング戦略を策定していくことで、自社にとって適切な戦略を見つけ出すことが出来るでしょう。

STP分析・3C分析・4P分析はセットで行う必要があると理解しておきましょう。

結論 4P戦略に成功したスターバックスの事例

4P分析の成功事例としてはスターバックスの例があります。スターバックスの4P分析は下記の通りです。

コーヒーだけでなく居心地のいい空間を売る(Product)、他のチェーン店に比べて値段設定は高め(Price)、店舗の質を全国で統一するためにほぼ全て直営店(Place)、CM広告を実施せず、顧客によるSNS投稿や口コミなどで認知度向上・ブランドイメージアップを図る(Promotion)。

ドトールやベローチェなど低価格なコーヒーを売っているチェーン店では、時間を潰す場所として利用されている場合が多い。一方、スターバックスはコーヒーの提供だけでなく、オシャレで居心地のいい空間で豊かな時間を過ごすという体験を顧客に提供しています。

スターバックスは、4P分析を的確に行うことで、潜在的な顧客ニーズを掘り起こし、最適な戦略を実施した好例といえるでしょう。

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