用語集
2021/07/07
SiNCE 編集部

自社商品を他社商品と差別化するポイントとは?

企業で商品やサービスを開発して販売する場合、必ずと言って良いほど類似商品は存在します。商品によっては、機能やサービス内容がまったく一緒というものも珍しくありません。また価格、操作性やアウトプットイメージが異なっていても、詳しく調べてみないとその違いが分かりにくい場合もあります。特に、コンサルサービスや保守・運用サービスでは、競合のサービスとの違いが分からない場合が多くあります。なので今回は、他社商品と差別化する際のポイントを図解しました。

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導入 自社商品を他社商品と差別化する意味と必要性とは?

企業が商品を開発する際、市場から求められるものは何か?企業活動での課題や経営者の悩みは何か?といった観点に基づき、それらの課題や悩みを解決するソリューションを検討した場合、出来上がった商品やサービスは他社製品と類似してしまうことが多くあります。

それは商品開発が、ニッチな分野で市場を取るよりも業務を遂行する上で幅広く共通している課題を解決するような製品やサービスを開発する方が、売上を上げやすいという理由があるからです。

その結果、他社が販売する商品やサービスと同一の内容や機能であったりすることがあります。ですので企業が商品やサービスを販売する際には、自社商品を使っていただいた場合に何が解決でき、お客様がどのような状態になれるのかを明確にする必要があります。

ただし、差別化するポイントや機能を他社と類似表現で説明してしまうと、価格競争に巻き込まれたり知名度のある企業の商品が指名買いされたりしてしまいます。

課題 差別化戦略がされていない商品が廃れていく理由とは?

競合の多い商品やサービスは、価格、機能、目的、アウトプットが類似することが多いため、差別化したつもりが著名企業の商品を真似たものだと思われる可能性があります。

戦略的に他社製品を調査し差別化出来るアピールポイントが明確になっている場合を除いて、売れ筋と似たような商品を開発しトレンドに乗る事が一般消費者向け市場ではよく起こります。

しかしながら、流行の最盛期に商品をリリースしたフォロワー企業は、類似商品を開発し他社より安く販売することで一時的に売上げが上がることはあっても他社商品と差別化出来る特徴が無いために、流行の後半には差別化を図った独自戦略をする競合に負け撤退していくことが多々あります。

そういう意味で、資金力やブランドが確立していない企業では流行に流されて競合他社の類似商品を作ることは長期的には失敗につながることがあるので注意が必要です。

解決 商品の差別化は、しっかりとした商品戦略から。

では商品を差別化するために必要な商品戦略のポイントとは何でしょうか?

それは自社商品と他者商品を比較して類似点と相違点を見出し、ターゲットとする顧客が相違点で価値を感じるような商品戦略を行うことです。

例えば、今や日本国民がひとり1台以上保有していると言われるほど普及しているスマートフォンですが、どの商品を見ても機能や価格はほぼ一緒で、外見のデザインや大きさ以外で何が違うかは一見よく分からないことが多いです。

しかしながら、スマートフォンの中には画面での文字表示やキー配列が通常より大きくしてあるシニア世代を対象とした商品や機能を最低限にした子供(小学生以下)との連絡用に特化した製品があったりします。

このように商品の差別化は、販売ターゲットを明確化し、そのターゲットが価値を感じるような相違点を持つ商品を作ることが重要です。

また一番使って欲しいターゲットとなる層はどこかを明確にすることで、購買層にはその商品イメージが明確になります。

さらに、女性用や男性用と明確に謳っている商品(例:化粧品)であっても、肌質といった理由で肌が弱い男性が女性用のローションをを好んで買うこともありますので、販売される商品はターゲット層を明確にしてそれに合った機能や特徴を商品に持たせることが大切です。

結論 同じ商品でも他社との違いを明確にすることでオリジナリティのある商品となる

商品の差別化において重要なポイントは、ただ単に自社製品が他社製品と違うというだけでは不十分であり、ターゲットとする顧客の視点でのアプローチが必要になります。

そういった視点で開発された商品やサービスは、独自のポジションを築くブランドとなり、他社商品に比べて価格が高くても選ばれるようになります。

一度は耳にしたことがあるような企業でも商品の差別化に成功した事例があるのでご紹介します。

1)某ハンバーガーチェーン:
健康志向の若い女性をターゲットにして有機野菜や米などを使用し、オーダーを受けてから調理することで他のハンバーガーショップとの差別化に成功しています。

2)某喫茶店チェーン:
店内のレイアウトに高級感を持たせてゆったり過ごせる空間を提供することで、回転率を重視する他の喫茶店と差別化して高いブランド力を獲得しました。

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