KPIとKGIの違いとは?ビジネスシーンで重要視される理由

ビジネスの現場で一度は耳にしたことがあるであろうKPIとKGI。どの業界・職種でも活用されている重要なビジネス用語ですが、それぞれの意味が不明瞭な人もいるかもしれません。両方の指標は似ているようで違うので、それぞれの役割をしっかり理解しておかなくてはなりません。この記事では両指標の基本的な概念や設定するメリットから、ビジネスシーンでの使われ方、指標を定める際の注意点などを解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
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導入 KPI・KGIはいつから使われていた?
ビジネスシーンでよく使われる「KPI(Key Performance Indicator/重要業績評価指標)」と「KGI(Key Goal Indicator/重要目標達成指標」)」。
会社全体であれば売上目標や利益目標、営業職であれば訪問件数や受注期間、ウェブサイト運営ならばページビュー数や会員登録数など、さまざまな業界でそれぞれのKPI、KGIが設定され活用されています。
そもそもKPIやKGIは1990年代にハーバード大学の教授らがビジネス誌「ハーバードビジネスレビュー」に掲載した論文の中で言及したのが始まりといわれています。そこでは社員は設定された指標に基づいて行動することなどが指摘されています。
以後、欧米のビジネスシーンで使われていた指標が日本のビジネスシーンでも利用されだしました。現在では、目標を達成するためのプロセスおよびゴールへの達成度合いを測る指標として定着しています。
課題 KPI・KGI、それぞれの意味と使い方
KPIは前述したとおり日本語で「重要業績評価指標」と訳されています。目標を達成するためのプロセスにおける達成度合いを測る定量的な指標です。
KGIは「重要目標達成指標」と訳され、達成するべき目標(ゴール)のことです。つまり、KPIが途中の目標を定めた指標であるのに対して、KGIは最終目標という位置づけになります。
通常、KGIを最初に設定し、その目標に対して複数のKPIを設定します。
たとえば企業の採用サイトの運営を例にとってみましょう。
この場合、KGIは最終的な採用人数を設定する場合が多く、そしてその採用人数を達成するまでのプロセスに関する指標がKPIです。
KPIの例を挙げれば、採用サイトへの訪問数(ページビュー数・ユニークユーザー数)、問い合わせ件数、応募件数、面接件数などです。
解決 KPIとKGIの違いと注意点
繰り返しになりますが、プロジェクトのプロセスに関する達成度合いを示すものがKPI、最終的なゴールがKGIです。
たとえば通期の売上目標をKGIとすれば、期末までにその数値を達成するために計画的に行動することが求められます。
このとき、KPIを設定することで、最終目標へのプロセスを明確化することができます。四半期、半期などで売上目標が未達の場合、KPIに設定した指標(訪問件数、受注数、単価など)のどこに問題があったのかが可視化できます。
またその要因を分析することで次のアクションが明確になります。単価に問題があれば、提案するサービスや商品を見直す必要があり、失注件数が多い場合にはその原因を深掘りすることで改善できるかもしれません。
KPIやKGIの注意点としては、到底実現できない指標を設定したり、多すぎる指標を設定したりすることで機能しないケースが挙げられます。
高すぎる目標はモチベーション低下にもつながるので、現実的な数値を定める必要があります。またKPIはあくまでも最終目標のKGIを達成するための指標なので、まずはKGIを設定することから始めましょう。

結論 取得したデータを利活用してビジネスのさらなる発展を目指す
定量的な指標を持つことは企業経営にとって大切なことです。数値を明確に示すことで、アクションの方向性やタイミングが定まります。
KPIやKGIを達成していく上で取得するさまざまなデータ(顧客情報、コストパフォーマンス、営業成績など)は会社の資産になります。データを利活用することで、生産性向上につながったり、公平な人事評価システムの構築にも寄与します。
また数値目標はメンバーのモチベーションアップや意識の共有につながるので、チーム全体のパフォーマンスアップも期待できます。設定した数値目標は、PDCAを回すことで、より一層業務の効率化が図れます。まだ活用したことがないのであれば、ぜひ一度業務にKPIとKGIを取り入れて、ビジネスの目標達成を目指してみてください。