用語集
2021/10/04
SiNCE 編集部

サプライチェーンマネジメント(SCM)を学ぼう!データを一元管理し、全体最適化!

SCMという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
SCMは全体最適を目指す経営管理手法、サプライチェーンマネジメントの略です。
元々は2000年ごろブームになった言葉だったのですが、実は今、デジタルの仕組みが普及したことにより、SCMが更に大きく注目されています。
SCMには一体どのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。また、SCMを活用することでどのような価値が生まれるのでしょうか。
今回はそんなSCMについて図解&解説していきます!!

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導入 SCMってどういうものなの?

サプライチェーンマネジメント(SCM)とは原材料調達から、消費者の手元に商品が届くまでの過程を最適化する経営手法のことです。

これだけだとイメージがつきずらいと思うので、もう少し具体的に説明します。

普通の会社であれば、

①原材料の仕入れ
②商品の生産
③商品の発送
④商品の販売

という各ステップで在庫が発生するのが一般的です。

しかし、各地点で在庫が発生することで、急激な需要増加に耐えられなかったり、保管費用がかかったりしてしまいます。

このような課題を持つところにSCMを導入すると、在庫や商品データ、さらに需要予測を一元管理でき、各地点に適切な量の在庫が保管されるようになります。

これにより、需要のある製品の在庫を途切らすことなく消費者に届けることができたり、輸配送を最適化してコスト削減をすることができたりします。

課題 SCMのメリット、デメリットは?

ではSCMのメリット、デメリットは何になるでしょうか?

メリットは以下の通りです。

・業務プロセスの最適化によりコスト削減が可能

SCMによってデータを一元管理し、物流や在庫を最適化することで、無駄な業務を減らすことができます。 これにより、コスト削減を実現することができます。

・需要予測に対応した在庫最適化

SCMのデータの中に顧客の購買情報を含めれば、需要予測が可能になります。 これの実現により、顧客の購買意欲が高い時に在庫切れを起こすという事態を防ぐことができたり、余剰在庫の発生を抑えたりすることができます。

ではデメリットにはどのようなものがあるでしょうか?

デメリットには以下のようなものがあります。

・導入にかかるコストの大きさ

SCM導入にはそれに伴うシステム導入費などで、莫大なコストが発生します。 この初期費用の大きさはSCM導入をためらう大きな原因となっています。

・技術力

SCMを導入するためにはシステムを構築する技術力が必要です。 また、在庫や顧客情報は会社にとって重大情報です。 よってセキュリティもしっかりと構築する必要があります。

これらは自社のエンジニアだけでは構築できない場合が多いため、ほとんどの場合外部に委託します。 この要因も先ほど述べたコストの大きさという問題につながってきます。

解決 SCMの成功事例を知っておこう!

ではSCMの成功事例にはどのようなものがあるでしょうか?

SCMを取り入れている代表的な企業として挙げられるのは花王です。

花王のSCMの目的は、短期間で変動する市場の需要に応じて、商品の在庫を切らすことなく消費者に供給する仕組みを構築することです。

花王の工場は全国8箇所あり、製品数は1500アイテムを超えますが、どの製品も受注から24時間以内に納品できる体制が構築されています。 このシステムを実現するために、花王では21ヶ所の物流拠点毎に、需要に応じて在庫レベルを最適化しています。

例えば、物流拠点によって、製品Aの在庫を多くしたり、製品Bの在庫を減らしたりなどといった調整を行なっているのです。

これにより、在庫切れすることのない供給システムを実現しているだけでなく、輸送も最適化し、環境への貢献も実現しています。

このように組織全体のデータを一元管理することで、多くの効果を生み出しているのが花王のSCMなのです。

結論 SCMをつかってモノの流れを最適化しよう!

今回はSCMについて解説&図解しました。

SCMはかつて2000年ごろにも盛んになりましたが、コンビニ業界以外、その改革はほとんど失敗に終わりました。その時は単に自動化、効率化のみを目指していたため、コストに見合う効果が得られなかったのです。

しかし、近年グローバルでモノのやり取りが盛んになってきたこと、デジタル化・ビジネスモデル変革が起こったことなどにより、 グローバルマネジメント、AIの需要予測による在庫最適化等の新たな価値をSCMによって手に入れることができるようになってきています。最近流行のD2Cとの相性もとても良いです。

貴社でもSCMに取り組むことによって、顧客に新たな価値を届けられるかもしれません。ぜひ経営判断の際の参考にしてみてくださいね!!

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