用語集
2021/07/09
SiNCE 編集部

コミュニケーション力や分析力は二の次?営業に必要な3つのスキルとは

営業のスキルを人に教えるのは難しいものです。たとえば、後輩社員や新人に「どうすれば有能な営業パーソンになれますか?」「営業で必要なスキルって何ですか?」と聞かれたら、どう答えればいいのでしょうか?コミュニケーション力やロジカルシンキング力、行動力や分析力など、世の中にはさまざまな「必須スキル」があります。どれも大切なスキルですが、もっと重要なものがあります。この記事では、成功する営業パーソンにとって大前提ともいえる3つのスキルについて、解説します。

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導入 AIが普及しても営業はなくならない

企業業績に直結する直接部門のなかでも、花形といわれるのが営業部門です。業界や企業規模を問わず、営業は会社の浮沈にかかわるような重要な役回りを担っているといって過言ではないでしょう。

そんな企業の中核に位置する営業職も、近年のビジネスを取り巻くデジタル化に大きな影響を受けています。パソコンやタブレット、スマホなどツールのデジタル活用はいうに及ばず、SFA(営業支援システム)やCRM(顧客関係管理)などの営業・マーケティングツールの普及や利活用も急速に進んでいます。今やほとんどの営業パーソンは当たり前のようにテクノロジーを使い、成果を上げていることでしょう。

さまざまなビジネスシーンで、ITの恩恵を受けている一方で、AI(人工知能)の発達により、営業職が不要になるという声も聞こえてきます。営業ツールやマーケティングツール、さらにはビジネスで利用するさまざまなサービスにAIが使われ始めています。それによって、業務効率が格段にアップしたという事例もあります。

しかし、AIによって営業職が取って代わられるということは、現実的にはあり得ないでしょう。なぜなら、営業現場では人と人、つまりクライアントと営業パーソンが直接やりとりをすることが基本だからです。また、ビジネス課題を抱えている多くのクライアントは、営業パーソンとの対面・対人を望むケースが多いものです。顧客は、AIに問い合わせるのではなく、人に相談したいというニーズはなくなりはしないでしょう。

そうしたときに、クライアントに選ばれ、評価される営業パーソンになるためにはどうすればいいのでしょうか。営業パーソンとして必要なスキルにはどのようなものがあるのでしょうか?

課題 コミュニケーション力、分析力……本当に必要なスキルとは?

ビジネスパーソンとして活躍するためには、知識や経験、スキルの習得が必須となります。法務やIT、人事、開発など、どのような分野で働くにせよ、力を発揮して成果を上げるためには、専門的な能力が必要になります。

営業も同様です。成果を出している営業パーソンには多くの共通したスキルがあるといわれています。たとえば、「コミュニケーション力」「課題発見力」「ヒアリング力」「情報収集能力」「タイムマネジメント能力」「ロジカルシンキング力」「クロージング能力」「行動力」「分析力」などです。

これらのスキルは、社内外の研修で社員に学ばせる機会を設けている企業もあるでしょう。あるいは、先輩社員から、実際の営業活動を通して教えてもらうということもあります。どのスキルも、営業パーソンとして活躍するためには必要であり、できれば習得したいものではあります。

ただし、これらのスキル以前に、成功する営業パーソンとして絶対に必要なスキルがあるのです。

解決 営業パーソンとして絶対に必要な3つのスキル

ビジネス書やビジネスサイトなどでは、上述した例をはじめさまざまな「営業に必要なスキル」が挙げられています。しかし、営業パーソンとして大前提となる必須スキルは、他にあります。それが次の3つです。

①興味関心を持つ力
興味や関心、情熱といったものが、すべての原動力となります。クライアント企業や、その企業が提供している製品やサービスなどに興味と関心がなければ、対象を掘り下げて分析することはできないでしょう。極限まで考え、分析し、ソリューションを提案し、クロージングさせるためにも、興味・関心・情熱こそが最も重要なスキルとなるのです。

②利他力
営業で成功することで給与があがったり昇進したりすることもあるでしょう。それをモチベーションに仕事に励むビジネスパーソンも多いかもしれません。しかし利己的なモチベーションは長続きしません。また、営業の本来の目的がクライアントの課題を解決することである限り、自分のことよりも相手・人のために行動すべきでしょう。クライアントの課題解決に喜びを感じられる力が利他力であり共感する力です。

③謙虚に受け入れる力
営業で失敗すると契約を打ち切られたり、社内の評価が下がったり、上司や同僚からもネガティブな言葉がかけられたりすることもあります。競争相手である同僚に先を追い越されることで焦りを感じることもあるでしょう。

シビアなビジネスの世界では、毎日が戦いであるともいえます。そうしたときにとかくネガティブな考えがつきまとってしまうのが営業です。クライアントや仲間、プライベートでの付き合いのある人たちに対しても、反発したり、衝突したりしてしまうこともあるでしょう。しかし、どのような立場であれ、意見や注意には傾聴すべき要素が含まれています。真摯に受け入れ、次の営業に生かせるように謙虚な姿勢を心掛けましょう。

結論 小手先のスキルよりもまずは「人間力」を磨く

営業に求められるスキルは、数多くあります。しかし表層的なスキルを身につけようとする前に、自分自身に向き合うことが必要です。対象に興味関心を持ち情熱を注ぐこと、利他的な心、謙虚かつ真摯な姿勢など、「人間力」ともいうべく力を身につけるのが営業パーソンにとって必要です。八方美人として全方位に好かれる営業は必要ではなく、嫌われない営業が大事です。嘘をつかないこと、ごまかさないことなどは厳しいビジネスシーンでは、忘れがちですが大切なことです。

人として当たり前のことを当たり前のように実践するのが営業という職業です。そうすることで、営業パーソンとしての成功に一歩近づけます。後輩社員や新人に対して、人間力の重要性を伝達することで、個人として、またチームとしてさらなる成長が達成できるのではないでしょうか。

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