企業活動でのホワイトペーパーとは?どのようにして作成すればよいか?

数年前にビットコインを初めとする仮想通貨(資産)の価値が認められるようになり、一時、1ビットコインあたり100万円を超える価格を付けましたが、その前後から、様々な企業や団体から新たな仮想通貨が発行されたことは、皆さんの記憶に新しいと思います。新仮想通貨発行の際、多くの投資家が投資対象仮想通貨を選定する際、必ず、確認したのが各仮想通貨の「ホワイトペーパー」だと言われています。実際に、各社での営業ツールとしての役割を持つホワイトペーパーは、どのような観点で作成されているかを図解してみました。
目次
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導入 ホワイトペーパーとはどんなもの?
ホワイトペーパーとは、日本語にすると「白書」となり、もともとは、政府や公的機関が発行する年次報告書を意味していました。しかしながら、民間企業、特に製造業のWEBサイトを見てみますと、製品紹介ページに「ホワイトペーパーのダウンロードはこちらから」といったリンクがあることに気が付きます。この場合のホワイトペーパーの位置づけは、年次報告書ではなく、製品の詳細仕様(スペック)や検証データを記載した製品の性能の裏付け資料になります。では、ホワイトペーパーは、政府機関や製造業だけが発行するものかといえば、現在は、様々な業種でホワイトペーパーが発行されています。例えば、ここ数年話題になった暗号資産(ビットコイン等の仮想通貨)の発行や証券会社への上場の際にも、その通貨がどんなものなのか?どこで利用できるものか?いつ、どのような手段で誰がどこに発行するものなのか?といった商品計画や特徴を示す資料としても活用されています。では、ITビジネスでのホワイトペーパーとはどんな構成で書かれているかは以下の通りです。
1)お客様が直面する経営や業務課題を挙げる
2)お客様の課題を分析し、どのような弊害があるかを記述する
3)お客様の課題を解決するための手法を記述する
4)自社ソリューションのご紹介(課題解決できる近道として)
つまり、ITビジネスにおけるホワイトぺーパーの役割は、自社のサービスがお客様の直面する課題を解決することができるソリューションを、お客様がイメージし易いように表し、自社ソリューションを選んでいただくための拡販ツールであると言えます。
課題 ホワイトペーパーの役割と営業拡販資料との違いとは?
ホワイトペーパーの種類には、以下のようなものがあります。
1)ノウハウを記載した資料
2)製品性能比較を記載した資料
3)事例を記載した資料
4)業界や市場調査結果を記載した資料
5)トレンド・最新情報を記載した資料
上記いずれの資料もお客様の持つ課題を解決し、お客様にとって有益な情報が網羅されている事が特徴です。また、自社製品との比較のために他社製品を紹介するケースもあり、自社製品のアピールは最小限とされることもくあります。
それに対し、企業が発行するカタログやチラシなどの営業拡販資料は、形式こそ異なるものの自社製品・サービスの紹介・解説が中心であり、自社製品の優位性のアピールが目的となっている点がホワイトペーパーとの違いです。
解決 ITビジネスにおけるホワイトペーパーを作成するポイントとは?
ホワイトペーパーは、元々、特定分野・製品・サービスの報告書でもあることから、論文作成と同様、5つの段落構成で記述する事になっています。その5つの段落に記載する内容は、以下の通りです。
1)導入・要約:
ホワイトペーパーに、どのような有益な情報があり、どのような課題を解決してくれるのかの要約
2)問題提起:
お客様である読者が抱える課題/悩みを掘り下げる内容
3)解決策:
問題提起に対応する解決策、ソリューションを提示する
4)自社製品/サービスおよび事例紹介:
解決策の提示に対応し、具体的な実現手段としての自社製品・サービスを紹介する
(製品を適切に評価していただくため、競合他社の製品を引用することあり)
5)連絡先:
お問い合わせ窓口の情報

結論 お客様に求められるホワイトペーパーのポイントとは?
商品・サービスの開発元の観点から、ホワイトペーパーに限らず、全ての資料は、売上げを上げるためのツールとの位置づけですが、その商品やサービスを購入する側に取ってみれば、ホワイトペーパーは購入決定をするための判断資料となります。そのため、ホワイトペーパーを作成する際には、ホワイトペーパーがお客様の稟議資料の一部になることを前提に客観的なものの見方で記載する必要があります。その為のポイントは、以下の通りです。
1)お客様の業務視点での想定課題を明確にする
2)想定される課題の解決策(選択肢)を挙げる
3)解決策を元に実現した場合の効果を挙げる
4)自社ソリューションを使った際のお客様の利便性と効果(嬉しさ)を挙げる